重賞レース


レースガイド
2018年に準重賞に格上げ、2023年より南関東SIII競走に格上げされた。
準重賞に格上げされた2018年以降で馬券に絡んだのは全て5番人気以内、かつ、新馬戦で連対していた馬。この時期に好走するにはそれなりの仕上がりが求められる。
川崎で唯一1,500mで行われる重賞で、スタートの良さも鍵となる。
【1・2着馬に鎌倉記念への優先出走権を付与】
コースガイド
4コーナー出口からのスタート。最初の1コーナーまでの距離が400mと長く、1400mと比べてテンが早くなりやすい。基本的には逃げ・先行馬が有利な傾向だが、先行争いが1~2コーナーまで続いた場合は差し馬の台頭も。
1・2番人気のいずれかを連軸に、馬格のある馬を
※データは重賞格上げ前を含む、過去10年分(2015~2024年)を対象にした。
軸は1・2番人気のいずれか
1番人気は4勝2着3回3着1回、2番人気は4勝3着2回。2頭揃って連対を外したのは2017年のみで、連軸はいずれかとするのが良さそう。
それでも1・2番人気によるワンツーは2回、共に馬券に絡んだのも5回どまりで一捻りが必要だ。
また1番人気が勝った4回は2着に4・4・5・8番人気を連れてきている事にも留意したい。
6番人気以下は2着2回3着1回のみで狙いにくいが、昨年は2着に食い込んでおりよく吟味したい。
【単勝人気別成績】(過去10回)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 4 | 3 | 1 | 2 | 70.0 % | 80.0 % |
2番人気 | 4 | 0 | 2 | 4 | 40.0 % | 60.0 % |
3番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 20.0 % | 30.0 % |
4番人気 | 0 | 3 | 3 | 4 | 30.0 % | 60.0 % |
5番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 20.0 % | 40.0 % |
6番人気以下 | 0 | 2 | 1 | 45 | 4.2 % | 6.3 % |
地元川崎が奮闘
浦和所属馬が3勝2着3回3着1回で連対率では頭1つ抜け出しているが、馬券に絡んだ7頭中5頭は1・2番人気だった(10番人気2着は準重賞となる前の2017年)。
準重賞格上げ以降は地元川崎所属馬が出走頭数が多いながらも毎年馬券に1~2頭絡んでいる。
船橋所属馬は2・2・4・4・4・5番人気で2勝2着2回3着2回。
大井所属馬は準重賞格上げ以前ではあるが、4頭の参戦で2着1回3着2回と出走してきたら注意。
【所属別成績】(過去10回)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
大井 | 0 | 1 | 2 | 1 | 25.0 % | 75.0 % |
船橋 | 2 | 2 | 2 | 14 | 20.0 % | 30.0 % |
浦和 | 3 | 3 | 1 | 12 | 31.6 % | 36.8 % |
川崎 | 5 | 4 | 5 | 41 | 16.4 % | 25.5 % |
牡馬が断然
牡馬が9勝2着9回3着8回と断然。牝馬が優勝したのは準重賞格上げ前で、後に重賞を勝つゴールドパテックだった。その2017年は出走馬の半数以上が牝馬で、2・3着にも牝馬が割って入っていた。
【性別成績】(過去10回)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 9 | 9 | 8 | 41 | 26.9 % | 38.8 % |
牝馬 | 1 | 1 | 2 | 27 | 6.5 % | 12.9 % |
外枠有利、穴なら2枠
5~8枠が7勝2着4回3着6回で、1~4枠の3勝2着6回3着4回より優勢。経験の少ない2歳戦では揉まれにくい外枠が有利という事だろうか。
ただ2枠は1・4・4・5・8番人気が1勝2着3回3着1回と連対率40%、複勝率50%と穴に一考。逆に6枠は1勝3着1回のみで狙いにくい。
【枠順別成績】(過去10回)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 1 | 1 | 7 | 20.0 % | 30.0 % |
2枠 | 1 | 3 | 1 | 5 | 40.0 % | 50.0 % |
3枠 | 0 | 1 | 2 | 7 | 10.0 % | 30.0 % |
4枠 | 1 | 1 | 0 | 9 | 18.2 % | 18.2 % |
5枠 | 2 | 2 | 0 | 7 | 36.4 % | 36.4 % |
6枠 | 1 | 0 | 1 | 11 | 7.7 % | 15.4 % |
7枠 | 3 | 1 | 3 | 9 | 25.0 % | 43.8 % |
8枠 | 1 | 1 | 2 | 14 | 11.1 % | 22.2 % |
新馬戦実績&460キロ以上の馬格が欲しい
準重賞に格上げ以降、前走で連対を外していた馬は3着が1回あるのみだったが、昨年は前走5・9着馬が2・3着。重賞に格上げとなり傾向に変化があったのかを見極めたい。
2017年以降、馬券に絡んだ24頭はすべて新馬戦で2番人気以内&連対実績があり、この時期に好走するにはそれなりの仕上がりが求められる。
レース経験が新馬戦の1戦しかない馬は2023年グラッシーズマンが優勝したのみで、それまでは5頭で3着2回のみ。
3勝馬は2勝2着1回4着以下3回、2勝馬も3勝2着3回3着3回4着以下6回で、暑い時期に走り過ぎていないか十分に確認する必要がある。
馬券に絡んだ30頭中25頭は前走での馬体重が460キロ以上あった。逆に460未満の馬は2着5回のみで2頭以上馬券に絡んだ年は無い。
尚、未勝利馬の馬券絡みは2018年で優勝したカネトシテッキン(2着3回5着1回)のみ。
ライター:友好春
サンエイタロー
オオクワガタ特別(2025年8月21日)
ミノリクン
初陣賞(2025年8月7日)
コスモギガンティア
オオムラサキ特別(2025年8月6日)
シノン
スミナガシ賞(2025年8月5日)
スマトラフレイバー
シャイニングスター賞(2025年7月8日)
金子正彦
1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。
中川明美
競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。
第3回若武者賞(SIII)
注目馬情報
スマトラフレイバー (牡2歳 船橋・稲益貴弘厩舎)
目下3連勝。デビューから4馬身、8馬身、4馬身と後続を引き離す強い競馬で勝ち星を重ねてきた。デビューの頃はまだ幼さも出して終始手前を替えながら走っていた。素質だけでレースをしていおり、最後はまだ遊びながら走っていた。スピードで押し切っていた2戦から、3戦目の前走では抑える競馬ができたのは収穫。距離延びるのも問題なさそう。
「3連勝が千切って勝っているのでどこまで強いのかまだ計り知れませんね。包まれる競馬をしていないので今回どんな競馬ができるかでわかるのでしょうね。とにかく先行力があります」と野畑凌騎手。
コスモギガンティア(牡2歳 川崎・河津裕昭厩舎)
デビューから3戦すべて違う戦法で上位に食い込んでいる。まだ走りにズブさが見られ荒削りな面もあるが、改善の余地は十分にある。2走前ではテンにモタモタするところがあって、スマトラフレイバーに完敗したがゴール前の脚は目立っていた。器用さこそないが、能力に遜色はなく展開ひとつでチャンス十分。
「まだ成長途上で馬体に緩さはあるが、完成してくればかなり能力は高い。加速でモタつき、特に2戦目は内にもぐって直線だけの競馬になった。忙しいヨーイドンの競馬より、うまくためて終いの伸びを生かしたい。ストライドが大きくタイムも出ているが、跳びを見るといつかJRAの芝にも挑戦してみたい」と河津裕昭調教師。
ミノリクン(牡2歳 川崎・酒井忍厩舎)
キャリアまだ2戦だが、前走のトライアル初陣賞で2着し出走権をゲット。勝ったのが重賞勝ちしているロードレイジングなら致し方のないところだ。酒井忍調教師がみずから調教に騎乗し仕上げているが、使いながら新たな面を見せ、ポジションにこだわらず競馬ができることも強み。距離延長はむしろ歓迎と言えそうだ。将来性十分な一頭。
「総合力があると言うんでしょうか。競馬がうまい。集中力があるし、砂をかぶっても大丈夫。スタートもいいし操縦性や反応の良さからも素質は高く将来性十分です」と笹川翼騎手。
サンエイタロー(牡2歳 川崎・高月賢一厩舎)
5月に能力試験を受け、6月デビュー予定だったが右前肢挫石で出走取消。ひと息入れてデビューすると先行策でロードレイジングの2着。2戦目からは直線勝負で切れ脚を生かす競馬をするようになって大きく幅を広げた。ゲートの難しい面もあるが、ポジションにこだわらなくなったぶん出たなりの位置取りで競馬ができる。
「追い切りの動きが良かったし、これで少しあった重め感も取れると思う。競馬が上手なので、ゲートの課題を克服してくれればさらに上を目指せるはず」と高月賢一調教師。
シノン(牝2歳 川崎・八木正喜厩舎)
能力試験では絶好スタートから馬なりのまま後続を引き離し49秒5という破格タイムだった。気持ちが前向きで動きが俊敏。430キロ台の体重以上に大きく見せると評判だ。ただ牝馬らしい繊細な気性面はあるのでうまくなだめられるかがポイント。父レッドベルジュールは産駒数こそ少ないが、自身も2歳重賞を制し、昨年の初年度産駒ウィルオレオールは平和賞を勝っている。
「前回が目一杯仕上げたぶんレース後ダメージはあったが、そのあとは立ち直ってきている。メンタル面でカリカリしたところはありますが、身体は小さくても良い背中をしています。もともとの素質はかなりいいスピードを持っています。スムーズに先行できるのがベストですね」と櫻井光輔騎手。
回数 | 施行年 | 馬名 | 性・年齢 | 騎手 |
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2 | 令和6年 | ベアバッキューン | 牡2 | 町田 直希 |
1 | 令和5年 | グラッシーズマン | 牡2 | 和田 譲治 |