コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

令和5年第12回開催 報知オールスターカップSIII 他

 1月29日~2月2日の開催では、恒例の佐々木竹見カップジョッキーズグランプリが行われました。コロナ禍による休止を挟み、回を重ねて第21回。初めて2戦とも制して完全優勝を果たしたのは、JRAの横山武史騎手でした。
 これまでこの開催のメインは川崎記念でしたが、ダート競走の体系整備によって4月に移行。これまで正月開催だった報知オールスターカップが、引き続き川崎記念トライアルとして行われました。思い切った逃げで後続を完封したのは内田勝義厩舎のライトウォーリア。鞍上は吉原寛人騎手でした。
 今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2024年1月30日(火)佐々木竹見カップジョッキーズGP マイスターチャレンジ

優勝馬ティーケーメイト

 断然人気の吉原騎手がハナをとって、勝った横山騎手のティーケーメイトは外枠でもすぐに2番手につけました。向正面では流れが落ち着きましたが、かなり縦長になったので、テンのペースは速かったと思います。
 それだけに4コーナーでは前の2頭とも一旦は下がりかけたように見えましたが、直線では横山騎手のティーケーメイトがもう一度盛り返しました。スタートして2番手にとりつくのが速かったですから、そこで息を入れられたのかもしれません。
 対して吉原騎手のグランムテキはうしろにぴたりとつけられてプレッシャーをかけられたぶん、苦しくなってしまいました。
 ゴール前では、後方からの追走だった松山騎手のアリダンジェロ、中団よりうしろにいた矢野騎手のイーヴイが一気に伸びてきました。ペース的には、このうしろからの2頭が差し切るかと思いましたが、横山騎手はよくもたせました。先行勢で残ったのは勝ったティーケーメイトだけでしたから、やっぱり前は速かったんだと思います。そのペースで最後までもたせたのは、横山騎手の腕でしょう。ブリンカーをつけたのも良かったのかもしれません。

2024年1月30日(火)佐々木竹見カップジョッキーズGP ヴィクトリーチャレンジ

優勝馬イデアミラーグロ

 2戦目は1番人気に支持された横山騎手(イデアミラーグロ)の逃げ切りでした。スタートから速かった。一気に先頭に立って、マイペースで単騎の逃げになりましたから、このレースは流れが落ち着きました。そのまま直線では後続を寄せ付けなかったので、1番人気にもなっていたし、これは馬の能力も違いました。
 5馬身差がついての2着争いは、中団から笹川騎手のコスモマルーンが伸びてきました。スタートしてすぐに抑えましたから、最初から末脚に懸けていたのでしょう。3コーナー過ぎまではラチ沿いでじっとしていて、4コーナーで外に持ち出すと、直線では一番いい脚を使って2着争いから抜け出しました。
 3着の吉村騎手(サンオルソーライズ)は、馬がスタートで飛び上がるような感じで出遅れました。それでも早めに位置取りを上げて、4コーナーを回るところで外から2番手。笹川騎手には交わされましたが、吉村騎手もうまく乗ったと思います。

2024年2月1日(木)報知オールスターカップ

優勝馬ライトウォーリア

 ライトウォーリアの吉原騎手は、9頭立ての大外から逃げました。3番のヒーローコールも好ダッシュでしたが、吉原騎手は外枠でも引かなかったのは、調教師からの指示があったのか、行くと決めていたのでしょう。スタンド前でもペースを緩めず単騎での逃げになりました。スタートで勢いをつけたので、馬も少し行きたがっていたようです。ある程度は抑えようとしていましたが、こういうときはあまり無理に抑えるよりは、馬に任せて行ってしまったほうがいいです。
 笹川騎手のヒーローコールがやや離れた2番手で、3番手にいた森騎手のナニハサテオキが3コーナー過ぎで一気に先頭に迫りました。ペース的には、森騎手の位置取りがちょうどよかったのかもしれません。
 吉原騎手はさすがに行き過ぎのような感じで、末脚のいい馬が来る流れだったとは思いますが、ナニハサテオキ以外にうしろから来る馬もいませんでした。最後はナニハサテオキがクビ差まで迫りましたが、ライトウォーリアが最後まで抜かせなかったのは、吉原騎手の好騎乗でしょう。3着には6馬身も差がつきました。