コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

令和8年度第1回開催 川崎記念JpnI 他

 新年度4月6~10日の開催では、重賞が2レース組まれました。
 7日に行われた3歳馬によるクラウンカップは、人気のシーテープが、逃げ粘るオリジナルパターンをゴール前でとらえ、大井移籍後4連勝としました。鞍上は矢野貴之騎手でした。池谷匠翔騎手のララメテオも直線よく伸びて3着に入って見せ場をつくりました。
 8日の川崎記念JpnIは、JRAのカゼノランナーが逃げ切り、佐賀記念JpnIIIから重賞連勝としました。また騎乗変更により野畑凌騎手が手綱をとったドゥラエレーデも2着に健闘しました。
 川崎記念の一つ前、川崎記念3連覇 ホッコータルマエメモリアルは、3コーナーで先頭に立ったモネが直線後続を完封。鞍上は新原周馬騎手でした。
 今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2026年4月7日(火)クラウンカップ

優勝馬シーテープ


 勝ったシーテープの矢野騎手は、スタートでは行く馬を行かせて4、5番手の好位につけました。逃げたオリジナルパターンは、2番手以下を離して緩みのないペースで逃げていたので、直線を向いたら一杯になるかと思って見ていたのですが、勢いは衰えずゴール前までよく粘っていました。好位集団の馬たちも脚色が一杯になったところ、1頭だけ際立つ脚色で差し切ったのがシーテープでした。これで移籍後4連勝。大井の長い直線になれば、さらに持ち味を生かせるかもしれません。
 もう1頭、直線での伸びが目立ったのが3着のララメテオでした。前走の椿賞でもよく伸びてシーテープの2着に入りましたが、今回は4コーナーではまだ離れた中団から、メンバー最速の上りでした。池谷騎手は道中は外に持ち出しての追走で、うまく末脚を生かしました。距離的にはさらに長いところで、これからが楽しみです。

2026年4月8日(水)川崎記念JpnI

優勝馬カゼノランナー


 カゼノランナーはスタートからハナに立っての逃げ切りでした。スタートして最初の3コーナーまでは流れましたが、4コーナーから直線ではぐっとペースを落としてマイペースに持ち込んだことが、ひとつ勝因でしょう。後続の有力勢も抑えたままで動いてくる馬もいませんでした。2コーナーを回るあたりまではまだゆったりしたペースで、西村騎手は向正面から徐々にペースアップしていって、直線では後続に脚を使わせませんでした。
 ドゥラエレーデは中央から移籍初戦でしたが、人気もあまりありませんでしたし、乗り替った野畑騎手が思い切って2番手につけていったのがよかったと思います。ゴール前ではアウトレンジが差を詰めてきましたが、前2頭はそのままの決着でした。野畑騎手はこの開催14勝を挙げて活躍が目立ちましたが、思い切った騎乗で結果を出しています。ドゥラエレーデは南関東の重賞で楽しみな存在になりそうです。
 ディクテオンは1周目の流れが落ち着いたところでは前からはそれほど離れてはいませんでしたが、向正面で前がペースアップしたときに隊列が縦長になって、持ち味の末脚を生かせるような流れにはなりませんでした。

2026年4月8日(水)川崎記念3連覇 ホッコータルマエメモリアル

優勝馬モネ

 勝ったモネの新原騎手は、スタートで思い切って行く気を見せました。ただ、外からプラティクレール(中山遥人騎手)が主張してきたので2番手に控えて、そこで外に持ち出せたのがよかった。3コーナーで早めに先頭に立つタイミングもよかったです。すぐうしろにいたフイノマジワリ(野畑騎手)も仕掛けて来ましたが、直線で振り切りにかかると、後続を寄せ付けませんでした。
 新原騎手は追い出してからも姿勢が崩れないのがいいです。以前は少し強引さが足りないようなところがありましたが、最近ではこのレースのようにスタートから主張するようになってきました。この開催で3勝しましたが、そうした積極的な騎乗が勝ち星につながっていると思います。