コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

令和7年度第10回開催 全日本2歳優駿 他

 12月15~19日の開催では、2歳ダートチャンピオン決定戦、全日本2歳優駿JpnIが行われました。鎌倉記念を圧勝した北海道のベストグリーンが1番人気に支持されましたが、ゴール前3頭の接戦を制したのはJRAのパイロマンサーでした。鞍上は岩田望来騎手でした。
 その日の最終レースに、2025川崎ジョッキーズカップファイナルが行われました。直線追い比べから抜け出した櫻井光輔騎手は、第5戦からの連勝で年間チャンピオンとなりました。
 18日に行われたJRA認定のシャイニングドリーム賞は、2番人気アルプスマサが後続を寄せ付けず逃げ切り勝ち。鞍上は、ひとつ前の第8レースで年間200勝を達成した野畑凌騎手で、この開催では12勝を挙げる活躍でした。また、管理する高月賢一調教師は、この勝利が地方競馬通算1400勝となりました。
 今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2025年12月17日(水)全日本2歳優駿

優勝馬パイロマンサー


 スタート後の直線ではハナを主張する馬がなくスローペースになりました。外から武豊騎手のイダテンシャチョウが逃げる形になりましたが、ベストグリーンはスタートもよく、内のパイロマンサーも行く気を見せなかったので、小野騎手は譲らずに行ってしまったほうがよかったと思います。
 勝ったパイロマンサーが2番手で、ベストグリーンはその外の3番手でした。ベストグリーンは抑えたことで馬が掛かってしまい、折り合いがついたのはペースアップした向正面でした。それでも3コーナーから抜群の手応えでまくっていって、直線を向くところでも先頭でした。パイロマンサーとの追い比べになりましたが、ゴール前で脚が鈍ったのは、前半掛かったぶんでしょう。510kg台と馬格のある馬なので、追い出してからの瞬発力勝負というのも難しいかもしれません。
 パイロマンサーは2番手の絶好位でスムーズに運べたことで、ゴール前よく伸びました。門別でJBC2歳優駿を勝ったタマモフリージアも、ゴール前の伸びが目立っていました。

2025年12月17日(水)2025川崎ジョッキーズカップファイナル

優勝馬テンダリー

 逃げたのは岡村騎手(ミュークフォルテ)、2番手に野畑騎手(クロスダイヤ)で、早めに隊列が決まったのでペースが落ち着きました。ただそのわりには縦長の展開になりました。勝った櫻井騎手のテンダリーは4番手集団で、藤江騎手(ホースワン)も向正面で早めに位置取りを上げてきていました。
 平均ペースで流れが落ち着きましたから、前にいる馬か、早めに位置取りを上げてきた馬での決着になりました。
 1、2着は半馬身差で、コース取りの差が明暗を分けました。道中で内を通ってきた櫻井騎手は、4コーナーで逃げていた岡村騎手の直後で、外の馬が一杯になりましたから、その間を抜けてくることができました。藤江騎手は外目を回ってきたので、4コーナーでバテた馬の外を回ることになりました。最後は藤江騎手がよく追い込みましたが、半馬身届かなかったのは4コーナーで外を回ったぶんでしょう。勝った櫻井騎手は内をうまく立ち回りました。
 逃げたミュークフォルテは2着から4馬身差をつけられましたが、ペースを落として逃げたぶん、人気薄(9番人気)でも3着に粘りました。

2025年12月18日(木)シャイニングドリーム賞

優勝馬アルプスマサ

 野畑騎手のアルプスマサはスタートダッシュが速く、外枠でも楽にハナを取れました。前半はペースが落ち着いていましたが、向正面で4番手から張田騎手のヤギリアイビスが動いてペースが上がりました。それでも野畑騎手は余裕がありましたから、うしろから来れば来るだけ動いて先頭をキープしました。
 3~4コーナーでも野畑騎手の手応えはまだ楽なままで、直線を向いて追い出されるとあっという間に突き放しました。アルプスマサは、このメンバーでは能力が抜けていました。折り合いもつくし、距離は伸びてもいいでしょう。
 野畑騎手は、積極的に位置を取りにいくのがいいところです。それで他場からの騎乗依頼も多く、勝ち星につながっています。ただ少しムキになって追うところがあるので、もう少し綺麗に乗ったほうがいいと思うようなこともあります。