コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

令和8年度第3回開催 関東オークスJpnII 他

 6月15~19日の開催では、3歳牝馬によるJpnIIの関東オークスが行われました。ハナを主張したジュワネングが直線でも先頭でしたが、3コーナーから追ってきたペンダントが差し切りました。鞍上は岩田望来騎手で、岩田親子のワンツーとなりました。
 初日の最終レースに行われた入梅特別はゴール前3頭の接戦となり、ハナ、クビ差の接戦をミラクルヴォイスが制しました。鞍上の古岡勇樹騎手は、この開催4勝を挙げ開催リーディング3位の活躍。管理する佐々木仁調教師はこの開催5勝で開催リーディングとなりました。
 16日第9レースの見返り美人特別は、直線馬群を捌いて伸びてきたドウザンワンがクビ差抜け出して勝利。鞍上は佐野遥久騎手でした。
 今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2026年6月17日(水)関東オークス

優勝馬ペンダント


 野畑騎手のアンジュルナが好スタートを切りましたが、外から岩田康誠騎手(ジュワネング)が一気にハナに行きました。おそらく逃げると決めていたのでしょう。ハナを取り切ると、3コーナーからうまくペースを落としました。
 勝ったペンダントの岩田望来騎手は、ペースが落ち着いたスタンド前の直線では4番手の内、絶好位につけていました。道中で動いて行く馬もいなかっただけに、ペンダントの直後につけたブレイズエッジ(御神本騎手)まで含めて、先行集団の有力勢での決着になりました。
 4コーナーではジュワネングが手応え十分のまま先頭で、そのまま逃げ切るかと思いましたが、ペンダントが差し切りました。3着にはブレイズエッジが入りましたが、2着からは6馬身差がついていたので、この距離では1、2着の2頭の能力が抜けていたということでしょう。
 期待された(3番人気)アンジュルナは2番手で折り合っていましたが、直線では一杯になってしまいました(9着)。この距離は長かったと思います。

2026年6月15日(月)入梅特別

優勝馬ミラクルヴォイス

 佐野騎手(オスカーブレイン)が飛ばして逃げ、8頭立てでも縦長の展開になりました。勝った古岡騎手のミラクルヴォイスは後方からの追走で、結果的に中団よりうしろ、5~7番手を追走していた3頭接戦での決着となりました。
 3~4コーナーで先行勢が追い通しになり、町田騎手(ベラール・2着)と矢野騎手(ドリームジャパン・3着)が外を回って仕掛けていったところ、古岡騎手はまだ内で我慢していました。
 古岡騎手が追い出したのは4コーナーを回ってから。仕掛けのタイミングを待ったぶん、直線で前が壁になりましたが、内に切り替えて前に迫りました。ゴール前は接戦になって、外の町田騎手と矢野騎手の争いかに思えましたが、ハナ、クビの差で古岡騎手が内から差し切りました。流れが速かったので道中で折り合いをつけ、直線まで溜めて追い出したのが勝因でしょう。我慢したぶん、ゴール前で脚を使うことができました。

2026年6月16日(火)見返り美人特別

優勝馬ドウザンワン

 勝った佐野騎手(ドウザンワン)は1番枠から好スタートを切りましたが、行く馬を行かせて中団よりうしろに下げました。2着だった笹川騎手(ジーティーカイソク)も同じような位置からほぼ併走する形での追走でした。
 佐野騎手は向正面から追い通しでしたが、4コーナーでもまだ中団で、直線ごちゃごちゃしたところをよく抜けてきました。一杯になったタケルサバイバルが下がってきて行き場をなくすような場面もありましたが、その外に切り替えて差し切りました。
 笹川騎手のジーティーカイソクは直線でも内を通って進路が空いて勝ちパターンに見えましたが、うまく馬群を捌いてきた佐野騎手の好騎乗でした。佐野騎手は以前のようにあまりバタバタしなくなり、追ってくるときの姿勢もしっかりしてきました。
 1番人気だったファイヤーウィップ(保園騎手)は、先行した8枠2頭のうしろ、3番手内の絶好位につけました。直線でもよく伸びて一旦は先頭に立つ場面もありましたが、内から2頭に交わされてしまいました。人気馬として正攻法の勝ちパターンでしたが、これで負けたのでは仕方ありません(3着)。勝った馬を褒めるべきでしょう。