コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見(ささき たけみ)
元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。
令和8年度第6回開催 スパーキングサマーカップ(SII) 他
8月は18~21日の4日間開催。重賞のスパーキングサマーカップは、圧倒的なスピードでベアバッキューンが逃げ切り、昨年の若潮スプリント以来、重賞4勝目としました。鞍上は野畑凌騎手でした。
18日に行われたJRA認定の2歳戦、シャイニングヒーロー賞は、スタートでダッシュがつかなかったラウロカンピオーネが2コーナーで一気に位置取りを上げると、直線3頭の追い比べから抜け出しました。鞍上は町田直希騎手でした。
21日の川崎2000シリーズ・ヴァルキリー賞は、直線を向いて外に持ち出したキクノルタが、前の馬たちをまとめて差し切りました。鞍上は岡村裕基騎手でした。
なおこの開催のリーディングは6勝で3名が並び、2着回数の差で1位は大井の矢野貴之騎手でしたが、2位は野畑凌騎手、3位が町田直希騎手でした。
今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)
2026年8月19日(水)スパーキングサマーカップ
優勝馬ベアバッキューン
ベアバッキューンの野畑騎手は、8番枠からでもスタートで一気に内に切れ込んでハナをとりに行きました。ポリゴンウェイヴも行く気を見せましたが、野畑騎手がハナを譲りませんでした。
2頭が競り合ったまま3番手以下が離れる展開になりましたが、3コーナーでポリゴンウェイヴが下がったため、ベアバッキューンは息を入れて楽になりました。離れた3番手にいたアランバローズが追ってきましたが、ベアバッキューンは3~4コーナーで楽をできたぶん勢いが衰えることなく、逆に直線ではアランバローズが一杯になってしまいました。
ベアバッキューンは逃げると強いレースをします。野畑騎手は、スタートで無理やりという感じがありましたが、ダッシュ力のある馬はハナを取りきってしまえば、騎手としては楽に競馬ができます。
2026年8月18日(火)シャイニングヒーロー賞
優勝馬ラウロカンピオーネ
スタートで後方からとなったラウロカンピオーネの町田騎手は、序盤から追い通しでした。
逃げたのは野畑騎手(クレバーパイン)で、2番手が櫻井騎手(ジンジャーホープ)でした。町田騎手は2コーナーで一気に位置取りを上げて、向正面では前の2頭に並びかけるところまで行きました。4コーナーを回って先頭に立ちかけましたが、ラウロカンピオーネはずっとフワフワしています。
直線では、内を突いた矢野騎手のエヴァルトが抜け出すような勢いでしたが、ラウロカンピオーネはゴール前でようやくハミを取ってぐいっと伸びました。道中は走る気がないようなところがあって、真面目に走ったのはゴール前だけだったような感じです。町田騎手はずっと追い通しで、よく勝たせたと思います。
2026年8月21日(金)ヴァルキリー賞
優勝馬キクノルタ
勝ったキクノルタの岡村騎手はスタートで気合を入れて一旦は先頭に立ちましたが、外から行く馬を行かせてラチ沿いの絶好位をキープしました。スタート直後の先行争いは激しくなりましたが、岡村騎手が引いたこともあってすぐにペースは落ち着いて、スタンド前の直線では馬群が固まりました。
スローペースになったことで、向正面では中団よりうしろにいた何頭かが一気に動きました。岡村騎手はその馬たちのうしろについていきました。
仕掛けていった馬の中で、櫻井騎手(クロウソング)が3コーナーで先頭に立って直線を向きました。そのまま櫻井騎手が勝ったかという展開でしたが、直線を向いたところで前がカベになった岡村騎手は何頭分か外に持ち出して、そこから差し切りました。道中溜めていけたぶん、最後の伸びにつながったのでしょう。これは岡村騎手がうまく乗りました。
