コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見(ささき たけみ)
元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。
令和8年度第5回開催 スパーキングナイトチャレンジ 他
7月27~31日の開催では重賞がありませんでした。
27日の最終レースに行われた夏草特別(B3一二三)は、ラーマが直線の追い比べから抜け出しました。鞍上は、この開催5勝を挙げ開催リーディング3位の町田直希騎手でした。
29日のメインに行われたJRA2勝クラスとの条件交流・スパーキングナイトチャレンジはJRA勢が上位3着まで独占という結果でしたが、勝ったハリウッドブルースの鞍上は野畑凌騎手、2着マーシヴィガラスは佐野遥久騎手と、川崎所属騎手のワンツーでした。野畑騎手は、最終日の第1~4レースで4連勝を飾るなど、この開催14勝を挙げる大活躍。7月末現在、川崎では67勝をマークし、川崎リーディングでは2位の矢野貴之騎手(47勝)に20勝差をつける断然のトップとなっています。
30日の第7レースに行われた川崎ジャンプアップシリーズ・デギュスタシオン賞(C2)は、6番人気のアリハッピーがゴール前の接戦を制しました。鞍上はベテランの岡村裕基騎手。管理する安池成実調教師は通算400勝のメモリアルとなりました。
今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)
2026年7月27日(月)夏草特別
優勝馬ラーマ
スタート後の先行争いがやや激しくなりましたが、1コーナーを回って佐野騎手(マルセルテソーロ)、新原騎手(コスモスミッチー)が並んで先頭に立って隊列が決まると流れが落ち着きました。勝ったラーマの町田騎手は外目の4、5番手につけて無理せず楽なペースで追走できました。向正面でもペースは上がらず、3コーナーで3番手の野畑騎手(カナールショウヘイ)が仕掛けてようやくレースが動きました。
町田騎手は4コーナーで外に持ち出して追ってきました。内を突いて直線伸びた笹川騎手(ジーティーカイソク)がゴール前で一旦は抜け出し、勝ったかに思われましたが、町田騎手のラーマがゴール前でもうひと伸びしてアタマ差で差し切りました。最後に馬の瞬発力を引き出した町田騎手の好騎乗でした。
4コーナーでもまだ7番手あたりだったユメドリームも、大外に持ち出した櫻井騎手がよく3着まで持ってきました。
2026年7月29日(水)スパーキングナイトチャレンジ
優勝馬ハリウッドブルース
JRAの馬に騎乗した浦和の中山騎手、大井の鷹見騎手が競り合うように先行して前半ペースが上がって縦長の展開になりました。
中団のラチ沿いで構えていた野畑騎手(ハリウッドブルース)は、3コーナー手前で前が壁になって行き場をなくすような場面がありました。それでも3コーナー過ぎで外に持ち出すと一気にまくって出て、直線を向くと並ぶ間もなく前を交わして抜け出しました。勢いのある野畑騎手らしい豪快な騎乗でした。野畑騎手は、ここという場面で思い切って仕掛けていくところがいいです。追われて脚を使う馬のタイプも野畑騎手に合っていたのかもしれません。
佐野騎手は外目を追走していたので、勝負どころの3コーナーでもスムーズに位置取りを上げて行けました。4コーナー手前では先団がごちゃついたところ、うまく馬群を捌いて直線先頭に立っての2着でした。佐野騎手は以前からコンスタントに勝っていましたが、最近は追ってくるときに上体があまり動かなくなってさらによくなりました。
2026年7月30日(木)デギュスタシオン賞
優勝馬アリハッピー
勝ったアリハッピーの岡村騎手は、好スタートから外目3番手につけました。大外枠から懸命に追って好位に取り付いて来たのが新原騎手(コルネットロッソ)です。向正面でも新原騎手は先頭をとらえようかという勢いで、普通なら岡村騎手が下げるところですが、引かずに抵抗していました。結果的にそれがよかったのかもしれません。
逃げていた笠野騎手(サクセスベージュ)が4コーナーで一杯になると、直線でも岡村騎手と新原騎手の競り合いが続いて、新原騎手の馬のほうが脚色よく見えましたが、ゴール前で岡村騎手が振り切りました。それにしても向正面からほとんどずっと追い通しで、よく最後までしのぎ切りました。
中団から追ってきた矢野騎手(エールラヴィクトワ)がゴール前で一気に迫って、展開的にはこの馬の勝ちパターンでしたがアタマ差2着。それだけに、岡村騎手が根性で勝ったようなレースでした。新原騎手もよく粘ってクビ差で3着でした。
勝ったアリハッピーの母リアハッピーもデビューから安池調教師が管理して9勝を挙げた馬で、それだけに喜びも大きかったようです。
