重賞レース

第61回関東オークス(JpnII)

2025年6月18日 20:10発走予定

第5回川崎スパーキングスプリント(SIII)

レースガイド RACE GUIDE

3歳ダート牝馬路線における上半期の頂点を決する一戦。ダートグレード競走で、南関東牝馬三冠最終戦、地方競馬GRANDAME-JAPAN3歳シーズンの最終戦でもある。
2000年にJRA交流となってから地方馬の勝利は3頭のみだが、2・3着に割って入る健闘を見せている。
2015年の勝ち馬:ホワイトフーガは、その年のJBCレディスクラシックで牝馬の頂点にまで登りつめた。
【1・2着馬となった地方所属馬にスパーキングレディーカップへの優先出走権を付与】

コースガイド

2コーナーの出口から発走し、コーナーを6回まわります。2周目の向正面でペースが上がったときに、離されずについていくことができるか。騎手のペース判断も重要になります。

  • 分析
    レポート

  • 参考
    レース動画

  • 重賞
    直前情報

  • レース
    レポート

  • 歴代
    優勝馬

JRA所属馬が断然。地方所属の実績馬を絡めて一捻り

※データは過去10年分(2015~2024年)を対象にした。

1・2番人気のいずれかを軸に、4番人気以下を絡めて

 1番人気馬が3勝2着1回3着3回、2番人気馬が3勝2着1回3着1回。2018年を除けば、1・2番人気のいずれかが必ず連対しており馬券の軸に考えたい。

 1・2番人気が揃って馬券圏外となった2018年はJRA1勝馬が2頭出走していた(それ以外は全て2勝以上馬が出走)。1~3番人気でのワンツーは10年中2回、3着内に2頭来たのも10年中6回で一捻りが必要。

 一方、6番人気以下の馬券絡みも6頭止まりで大荒れも狙いにくい。

【単勝人気別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
1番人気 3 1 3 3 40.0 % 70.0 %
2番人気 3 1 1 5 40.0 % 50.0 %
3番人気 1 1 2 6 20.0 % 40.0 %
4番人気 2 2 0 6 40.0 % 40.0 %
5番人気 0 3 1 6 30.0 % 40.0 %
6番人気以下 1 2 3 74 3.8 % 7.5 %

JRA勢が断然も、地方所属馬が割って入る

 JRA所属馬が10勝2着5回3着4回と複勝率47.5%と断然。但し1~3着独占は2023年のみで、残る9回では地方所属馬が馬券に絡んでいる。

 地方所属馬の優勝は2012年アスカリーブルが最後で、ここ12年はJRA所属馬が優勝している。

 南関東以外の地方所属馬は2024年3着のグラインドアウトのみ。基本的には南関東所属馬から2・3着候補をうまく選びたい。

 尚、浦和:小久保智厩舎は4頭が出走し2着1回3着2回12着1回と出走してきた場合は注意が必要。

【所属別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
大井 0 0 2 13 0.0 % 13.3 %
船橋 0 3 0 19 13.6 % 13.6 %
浦和 0 1 3 5 11.1 % 44.4 %
川崎 0 1 0 21 4.5 % 4.5 %
他地区 0 0 1 21 0.0 % 4.5 %
JRA 10 5 4 21 37.5 % 47.5 %

外目の枠が優勢

 3歳牝馬には経験が少ない長距離戦ゆえに、ペースが緩む事が多いため枠順による有利不利は少ないが、動き出したい時に動けなくなる恐れのある内枠より外目の枠の方が優勢。

 過去10年5~8枠が必ず連対しており、5~8枠合わせて9勝2着9回3着4回。迷ったら外枠を選ぶのも一考。

【枠順別成績】(過去10回)

  1着 2着 3着 着外 連対率 複勝率
1枠 0 0 3 7 0.0 % 30.0 %
2枠 0 0 0 10 0.0 % 0.0 %
3枠 0 1 1 11 7.7 % 15.4 %
4枠 1 0 2 15 5.6 % 16.7 %
5枠 3 3 0 13 31.6 % 31.6 %
6枠 1 2 1 16 15.0 % 20.0 %
7枠 2 2 3 13 20.0 % 35.0 %
8枠 3 2 0 15 25.0 % 25.0 %

JRA勢はダート適性で、地方勢は重賞実績馬から

 2018年の地元川崎:ゴールドパテックを除く29頭中25頭が川崎コース初出走。残る4頭も川崎では1戦のみとコース経験は問わない。しかし距離に関しては中央所属馬、地方所属馬共に近2走が共に1,600m未満だった馬は皆無で、距離経験は重視したい。

 JRA所属馬は前走ダートオープンが6頭(全て6着以内)、兵庫チャンピオンシップが4頭(全て3着)、残る9頭は3歳1勝クラス(旧500万下を含む)が7頭、優駿牝馬1頭、スイートピーS1頭(ダート経験無し)だが、前走が芝コースだった2頭を除く17頭はダートでの3着内率が50%以上、更に14頭はダート連対率50%以上であった。

 尚、前走3角を10番手以降で通過していたJRA所属馬は8頭が参戦してきたが、2016年タイニーダンサー1着があるのみ。JRA所属馬はダート適性を中心に先行力のある馬からと考えるのがベター。

 地方所属馬は、11頭中8頭が東京プリンセス賞出走(7頭が同レース4着以内、残る1頭は中央から転入後4戦目)と中心視。その中央から転入後4戦目の1頭を除く全馬は、2歳時を含め重賞勝ち実績があった。

 最後に前走から騎手が乗り替わって馬券に絡んだのは2023年1着パライバトルマリンのみである事をつけ加えておく。

ライター:友好春

コパノエミリア

のじぎく賞(2025年5月22日)

プラウドフレール
ベルグラシアス

東京プリンセス賞競走(2025年4月30日)

金子正彦

金子正彦

1962年11月12日 神奈川県出身。
1979年に川崎競馬で騎手デビューし16,482戦1,227勝を挙げて2017年3月に引退。重賞勝ちは東京ダービー(サイレントスタメン)、浦和記念(モエレトレジャー)、桜花賞(ミライ)、ハイセイコー記念(ソルテ)など11勝。
引退後は競馬ブック南関東版でコラム、週刊競馬ブックにて重賞回顧等を執筆。

中川明美

中川明美

競馬ブック南関東担当記者。
新聞紙面にてコラム『南関こんしぇるじゅ』、週刊競馬ブックで『NANKAN通信』、競馬ブックWEBにて『南関あらうんど』等を執筆。週刊競馬ブック南関東S重賞本誌担当。
グリーンチャンネルにて『アタック地方競馬』『ダート競馬JAPAN』に出演中。

第61回関東オークス(JpnII)

注目馬情報

協力:競馬ブック

メモリアカフェ (牝3歳 JRA・柄崎将寿厩舎)

写真:小金井邦祥

 厳しい流れを経験しているだけに距離2100mに延長されてもタフに対応できそう。特に2戦目の1800m未勝利戦では4コーナーで逆手前になっていたが軽く仕掛けると古馬より速いタイムを弾き出して7馬身差をつける圧勝劇だった。前走の東京マイル戦ではじっくり脚をためると図ったようにスパート。人気に応えて連勝した。ナダル産駒は地方競馬でも実績を挙げており、まだ荒削りなレース内容からも伸びしろは十分。深い砂にも対応できそうだ。

「いろいろ厳しい流れの中でもよく勝ち切ってくれました。距離や砂質などやってみないとわからない面はありますが、操縦性が高い馬だけに、対応してくれるのを期待しています」と柄崎将寿調教師

プラウドフレール (牝3歳 船橋・川島正一厩舎)

写真:真鍋元

 2歳時から揉まれる競馬にも対応し結果を出しNARグランプリ2歳最優秀牝馬を獲って2歳女王に輝いた。3歳になるとユングフラウ賞、桜花賞と連勝。自在性も出て、一戦ごとに成長を感じる走りを見せている。前走の東京プリンセス賞では5着も、ハイペースのなか捕らえに行くのに早めに動いた。人気を背負っているぶん勝ちに行った結果で、敗因はハッキリしている。精神面のタフさがあってどこからでも競馬ができる機動力が強み。距離もクリアできそうだ。

「前走は展開のアヤ。あのペースで行って粘るんだから力負けではない。前走後は軽い調教からだんだんピッチを上げていった。腹回りはそうでもないのに尻のあたりが大きくなってパワーアップしているのを感じる」と川島正一調教師。

クリノスワロー (牝3歳 JRA・高橋義忠厩舎)

写真:仲真吾

 もっか3戦2勝。年末の京都1400mでのデビュー戦は気合をつけながらの追走だったが、3コーナーから早めに進出して4着。後続馬たちが猛追して結果を出したことを考えると内容ある結果だった。2戦目は距離を1800mに伸ばすと、仕掛け気味に先行策。3コーナー過ぎてからは追い通しになったが、直線に入るともうひとギア使って抜け出して4馬身差をつけた。続いても1800mに臨むがスタートで行き脚がつかず、仕掛けて3番手につけたが、またしても勝負どころから追い通し。ついていけなくなる課題はあるが、促すと伸びてジワジワ詰め寄り、最後はきっちり差し切った。川崎の深いダートで2100mに延長されるが消耗戦には強そう。ブリンカー効果にも期待したい。

「勝負どころでモタついたり、集中力に欠けるところがあるけど、能力は高いですよ。今回はブリンカーを着ける予定なので、反応も良くなってくると思います。ここでも通用していいでしょう」と高橋義忠調教師。

コパノエミリア (牝3歳 名古屋・宇都英樹厩舎)

写真:若松亮太

 門別でデビューすると、笠松、JRAと移籍を重ねたが、今年春から名古屋所属に。いきなり東海クイーンカップを制した。前走は園田で行われたのじぎく賞に遠征し、直線では鮮やかに抜け出して8馬身差の圧勝だった。東海クイーンカップに続いてグランダム・ジャパン2025年3歳シリーズで2勝目を挙げた。ポイントトップで迎えた最終戦の関東オークス。今回は初のダートグレード競走になるがシリーズ優勝を狙っている。

「左回りは初めてになるので、他馬が調教を終えた後の馬場で左回りで追いましたが、手前もスムーズに替えて動きの良さからもいい状態で送り出せそうです。中団あたりにつけて終いの脚の良さを生かすのが理想ですね。グランダムシリーズの優勝を目指して、地方馬の最先着を目標に頑張ってほしいです」と宇都英樹調教師。

ベルグラシアス (牝3歳 大井・市村誠厩舎)

写真:真鍋元

 流れが速くなった東京プリンセス賞では、惑わされることなくレースを進められた。道中は後方4番手でじっくり構える冷静な判断。3コーナー過ぎていっきにポジションを上げて戴冠。初の重賞挑戦でSIタイトルを獲得した。テンションの高い面があることから、この中間には川崎に運んでスクーリングする念の入れよう。川崎でもしっかり追って環境に慣れさせた。

「前走で速い流れを経験。直線で追い出したらしっかり反応してくれたので信じて追った。長くいい脚を使えるし、川崎2100mの適性はあると思う。距離延長はむしろ歓迎です」と町田直希騎手。

回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
60 令和6年 アンデスビエント 牝3 田口 貫太
59 令和5年 パライバトルマリン 牝3 戸崎 圭太
58 令和4年 グランブリッジ 牝3 福永 祐一
57 令和3年 ウェルドーン 牝3 武 豊
56 令和2年 レーヌブランシュ 牝3 松山 弘平
55 令和元年 ラインカリーナ 牝3 武藤 雅
54 平成30年 ハービンマオ 牝3 松岡 正海
53 平成29年 クイーンマンボ 牝3 C.ルメール
52 平成28年 タイニーダンサー 牝3 戸崎 圭太
51 平成27年 ホワイトフーガ 牝3 大野 拓弥
50 平成26年 エスメラルディーナ 牝3 C.ウィリアムズ
49 平成25年 アムールポエジー 牝3 岩田 康誠
48 平成24年 アスカリーブル 牝3 今野 忠成
47 平成23年 カラフルデイズ 牝3 岩田 康誠
46 平成22年 シンメイフジ 牝3 内田 博幸
45 平成21年 ラヴェリータ 牝3 岩田 康誠
44 平成20年 ユキチャン 牝3 武 豊
43 平成19年 ホワイトメロディー 牝3 安藤 勝己
42 平成18年 チャームアスリープ 牝3 内田 博幸
41 平成17年 テンセイフジ 牝3 石崎 駿
40 平成16年 トーセンジョウオー 牝3 蛯名 正義
39 平成15年 レマーズガール 牝3 武 豊
38 平成14年 サクラヴィクトリア 牝3 蛯名 正義
37 平成13年 マイニングレディ 牝3 柴田 善臣
36 平成12年 プリエミネンス 牝4 柴田 善臣
35 平成11年 ヤマノリアル 牝4 張田 京
34 平成10年 シバノコトエ 牝4 秋田 実
33 平成9年 シルバーアクト 牝4 石崎 隆之
32 平成8年 タカミブリティ 牝4 石崎 隆之
31 平成7年 ヘイワンリーフ 牝4 桑島 孝春
30 平成6年 ケーエフネプチユン 牝4 矢内 博
29 平成5年 ホワイトアリーナ 牝4 桑島 孝春
28 平成4年 マテイス 牝4 佐々木 竹見
27 平成3年 マウントグローリ 牝4 的場 文男
26 平成2年 フジノパツサー 牝4 本間 茂
25 平成元年 クインスワロー 牝4 桑島 孝春
24 昭和63年 タケシバロツク 牝4 松代 眞
23 昭和62年 スイフトターフ 牝4 桑島 孝春
22 昭和61年 ハルナオーギ 牝4 小林 真治
21 昭和60年 ハナブサクイン 牝4 佐々木 忠昭
20 昭和59年 グレイスタイザン 牝4 森下 博
19 昭和58年 ガールライヒ 牝4 秋田 実
18 昭和57年 ニシノヤクイン 牝4 岩本 実
17 昭和56年 テスコフアイヤー 牝4 木村 騎一
16 昭和55年 タイホウジエミー 牝4 高橋 三郎
15 昭和54年 シヤドウ 牝4 橘 真樹
14 昭和53年 エースライン 牝4 田部 和廣
13 昭和52年 サギヌマグツドリー 牝4 成田 清輔
12 昭和51年 エンダーペリー 牝4 渡辺 市郎
11 昭和50年 ミツドウエー 牝4 橘 真樹
10 昭和49年 ミサトクイン 牝4 赤間 清松
9 昭和48年 オーナーズミカサ 牝4 渡辺 市郎
8 昭和47年 ヒメオール 牝4 中之丸 忠義
7 昭和46年 タニノカツヒメ 牝4 内野 健二
6 昭和45年 チヤイナセブン 牝4 角田 次男
5 昭和44年 エビフジ 牝4 高橋 三郎
4 昭和43年 フアエトン 牝4 木村 和男
3 昭和42年 ローレライ 牝4 木村 和男
2 昭和41年 オリコ 牝4 佐々木 竹見
1 昭和40年 スターコキトール 牝4 高橋 三郎