コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見(ささき たけみ)
元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。
令和8年度第8回開催 鎌倉記念(SII) 他
10月12~16日の開催で行われた重賞は、全日本2歳優駿トライアルの鎌倉記念。若武者賞で3着だった川崎のブラフキャッチが、3コーナーから豪快にまくって直線抜け出しました。鞍上の野畑凌騎手はこの開催10勝を挙げる活躍。管理する高月賢一調教師も8勝をマークしてダントツの開催リーディングとなりました。
12日に行われたローレル賞トライアルの小町特別は、ゴールドモナコが好位から直線抜け出し6馬身差の圧勝。デビューから3連勝としました。鞍上は古岡勇樹騎手でした。
鎌倉記念の日の最終レースに行われた川崎2000シリーズ・デスティーノ賞は、ビルドラポールが直線で力強く抜け出し、川崎転入後14戦目での初勝利(通算2勝目)となりました。鞍上は加藤雄真騎手でした。
今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)
2026年10月14日(水)鎌倉記念
優勝馬ブラフキャッチ
外からコパノシチリア、ウノキボンバイエが競り合いながら先行して、ブラフキャッチの野畑騎手もスタートから追っていきましたが、ズブいタイプのようで、うしろから3番手の位置になりました。
野畑騎手は向正面の残り800mのあたりからずっと追い通しで徐々に位置取りを上げてきました。3~4コーナーでは外から一気にまくって、直線半ばで先頭のウノキボンバイエを並ぶ間もなく交わしていきました。
ブラフキャッチは追って追ってというタイプなので、野畑騎手だからこそ勝てたと言っていいかもしれません。おそらく次は川崎の全日本2歳優駿になると思いますが、こういう馬は今後直線の長い大井に行っても楽しみです。
2026年10月12日(月)小町特別
優勝馬ゴールドモナコ
勝ったゴールドモナコは、古岡騎手がスタートで気合をつけて行きましたが、外から行く馬を確認すると、ラチ沿いの4番手に控えました。道中は折り合いもついて、砂を被せても問題なく、気性的にも素直な感じで乗りやすい馬だと思います。
4コーナーでは、うしろから来る馬もいなかったので、すんなり前2頭の外に持ち出すことができました。直線では、先頭に立っていたフライトドクターを交わしてからの伸びが素晴らしかった。最後の100mほどで6馬身差をつけて、古岡騎手は完璧なレース運びでした。これは強い勝ち方でした。今後、距離が伸びても期待できそうです。
2026年10月14日(水)デスティーノ賞
優勝馬ビルドラポール
2000m戦ですが、外目の枠(7枠10番)からすんなりハナに立った笹川騎手(イモルテル)がいいペースでレースを引っ張りました。勝ったビルドラポールは、スタート後は外目を進んでいましたが、1周目の3~4コーナーでは内に入れて、縦長の中団からの追走でした。
2周目の向正面ではうしろにいた馬たちが外から一気に動いていって馬群がひとかたまりになり、内にいたビルドラポールの加藤騎手は前が詰まって動くに動けませんでした。
それでも3コーナー過ぎでは、ビルドラポールの前(3番手の内)にいた町田騎手(ナリノボガート)に勢いがありましたから、加藤騎手もそれについて行きました。早めに仕掛けてきた馬たちが追走に一杯になって、外にいる馬たちが後退したところに進路ができて、加藤騎手は4コーナーで一気に外に持ち出しました。
直線ではナリノボガートが先頭に立ちかけたところで、ビルドラポールは外から一気に交わして抜け出しました。
結果的に向正面で前が詰まったことで脚を溜めることができたぶん、直線での末脚につながりました。道中の位置取りの運もありましたが、9番人気でも加藤騎手の好騎乗でした。
