コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見(ささき たけみ)
元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。
令和7年度第12回開催 報知オールスターカップSIII 他
2月2~6日の開催では、23回目を迎えた佐々木竹見カップジョッキーズグランプリが行われました。
初戦のマイスターチャレンジは、逃げた笹川翼騎手が直線でも先頭でしたが、ゴール前でこれをとらえた戸崎圭太騎手が勝利。3着には福原杏騎手が入りました。
第2戦のヴィクトリーチャレンジは、初出場だったベテラン小牧太騎手が4コーナーで前をとらえると、直線では混戦の2着争いに2馬身半差をつけて完勝。2着には外目を伸びた戸崎圭太騎手、3着は石川倭騎手でした。
出場騎手が徐々に若返るなかで、1着・2着の戸崎騎手が優勝。2位は、6着・1着の小牧騎手で、ベテラン勢が存在感を示しました。3位は石川倭騎手でした。なお川崎代表の野畑凌騎手は13位でした。
4日に行われた川崎記念トライアルの報知オールスターカップは、1番人気のスレイマンがマイペースの逃げに持ち込み、直線後続を置き去りにして圧勝。鞍上は御神本訓史騎手でした。
今回はこの3レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)
2026年2月3日(火)佐々木竹見カップジョッキーズGP マイスターチャレンジ
優勝馬テンダリー
笹川騎手(イモルテル)が逃げて、戸崎騎手(テンダリー)が2番手。スタートしてすぐに隊列が決まると、2000メートルでもこのクラス(C2)を考えるとそれほどスローペースにはならなかったので、道中の動きはほとんどありませんでした。
直線を向いて笹川騎手が差を広げたので、そのまま逃げ切るかと思いましたが、ゴール前で戸崎騎手がとらえました。勝ったテンダリーは、じわじわと伸びるタイプで、(地方移籍後)2000メートルは初めてでしたが、この距離が合っていたと思います。
道中の動きがほとんどないなかで、後方で馬が行きたがるのを抑えていた福原騎手(クロウソング)が、向正面から徐々に動いて位置取りを上げました。3コーナーあたりから前2頭がペースアップしたときに、すでに3番手につけていたことで3着に入りました。前半抑えて行ったのは調教師からの指示だったかもしれませんが、抑えきれないと判断して早めに動いていったのはよかったと思います。
2026年2月3日(火)佐々木竹見カップジョッキーズGP ヴィクトリーチャレンジ
優勝馬スカイアクロス
13番枠から山本騎手(トンボ)が押してハナを主張して、大外枠の小牧騎手(スカイアクロス)は無理せずともその外の2番手につけました。小牧騎手は4コーナーまで抑えたままで、直線では余裕を持って追い出し、後続を突き放しました。1番人気でもありましたが、強い競馬でした。内のほうの枠に先行する馬がなく、すんなり2番手をとれたのが勝因でしょう。
向正面では縦長の展開となって、戸崎騎手(ジャスタースパーク)は前4頭から離れた5番手。勝負どころではうしろから仕掛けてくる馬がいましたが、戸崎騎手は追い出しを我慢して、4コーナーでは9番手あたりまで位置取りを下げました。調教師から「一瞬の脚は使う」と聞いていたとのことでしたが、そのとおり、脚を溜めていたぶん、ゴール前で一瞬の脚を発揮して大接戦の2着争い(2着から13着まで0秒5差)を制しました。1戦目を勝っていた余裕もあったかもしれませんが、さすがの好騎乗でした。
2026年2月4日(水)報知オールスターカップ
優勝馬スレイマン
ハナを主張する馬もなく、スレイマンは御神本騎手がまわりの出方を見ながらすんなり先頭に立ちました。1周目のスタンド前でもそれほどペースが落ちることもなかったので、掛かるような馬もいませんでした。御神本騎手は4コーナーまでほとんど持ったまま。直線、追い出されると、楽に後続を突き放しました。8歳で58キロを背負って、これは力が違いました。
川崎記念には中央からどんな馬が出てくるかわかりませんが、スレイマンは550kgを超える馬体で、逃げるか2番手あたりにつけていくレースができれば、いい勝負をするかもしれません。
2着のアオイイーグルは、4番手の内、絶好位につけていました。向正面では野畑騎手(ギガキング)が一気に動いてきたことでペースが上がりましたが、それでも(アオイイーグルの)本田騎手は内でじっとしたまま。4コーナー手前から前のスレイマンをとらえにかかりましたが、直線では逆に突き放されました。それでも2着は確保して、本田騎手はうまく乗ったと思います。
