重賞レース

第1回 川崎スパーキングスプリント(SIII)

  • 2021年6月15日 20:10発走
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レースガイドRACE GUIDE

2020年まではオープン特別戦として実施されていたが、今年南関東SIII重賞へと昇格した。20年は減量騎手を起用し最軽量50kgの3歳馬が逃げ、直線でも先頭で粘った(4着)が、今年から3歳の出走は不可に。重賞格上げで騎手減量の適用もなくなる。昨年までとの傾向の違いを第1回で見極めたい。【1着、2着馬に習志野きらっとスプリントへの優先出走権を付与】

コースガイドCOURSE GUIDE

2100mと同じく発走は2コーナーの出口だが、3~4コーナーをまわるだけでゴール。いかにスピードを落とさず直線に入ることができるかが重要で、オープンでは51秒台の速いタイムでの決着となることもあります。

900m
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重賞に格上げされた電撃の900m戦

※データは、特別戦だった過去10年分(11〜20年)を対象にした。

■順当な決着が多いが、ときに波乱も

単勝1番人気が7勝を挙げているが2、3着はなし。2、3番人気は5頭ずつ馬券に絡んでおり、上位人気が堅実。3連単の配当では、10回中8回は最低690円(11年)から最高でも2万7830円(18年)と順当な決着が多いが、5→6→10番人気で決まった12年の74万3840円、8→6→9番人気で入った20年の19万6360円と、ときに波乱もある

【単勝人気別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
1番人気 7 0 0 3
2番人気 1 2 2 5
3番人気 1 3 1 5
4番人気 0 1 1 8
5番人気 1 1 1 7
6番人気以下 1 2 5 49

※13年は1着同着

■船橋は半数が馬券絡み

船橋が7勝、2着3回、3着2回で複勝率の50%は抜けた成績。20年は出走がなく、12年は4着が最高だったが、それ以外の8回では必ず1頭は連対している。大井が2頭馬券に絡んだのは、12年と20年で、船橋からの参戦がないか、崩れたときに台頭する傾向。川崎の2勝は18、19年と連覇したラディヴィナだが、両年とも前走が条件級で負担重量は最軽量の51キロと、重量差がつきやすい特別戦の条件が向いた可能性はある。浦和で3着以内に入った4頭はすべて小久保智厩舎。

【所属別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
船橋 7 3 2 12
大井 1 3 1 12
川崎 2 3 4 37
浦和 1 0 3 16

※13年は1着同着

■若い世代は牝馬が有利

4歳は出走12頭ともっとも少ないが、3勝、2着1回、3着2回で複勝率50%と優秀。複勝率42.3%で続くのが3勝、2着5回、3着3回の6歳となる。
牡馬が6勝、牝馬が5勝(13年は1着同着)だが、複勝率では、牡馬23.8%に対し、40.7%と牝馬が優勢。とくに若い4歳は牡馬40%・牝馬57.1%、5歳も牡馬18.2%・牝馬33.3%で牝馬有利が顕著となっている。スピード勝負の短距離だけに、牝馬の2kg減が有利に働いている可能性はありそうだ。6歳では牡馬と牝馬がほぼ互角になり、7歳以上の3着以内はすべて牡馬(牝馬の出走が少ないこともあるが)となる。

【年齢別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
4歳 3 1 2 6
5歳 2 2 1 15
6歳 3 5 3 15
7歳以上 3 1 4 39

※13年は1着同着

【性別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
6 6 7 61
5 3 3 16

※13年は1着同着

■一線級相手の1400m以下の経験重視

前年までは、条件級馬が軽い重量をいかして上位争いするケースも多かった。オープン馬に限ると、11年1着コアレスピューマ(船橋)、13年1着スターボード(船橋)らは前走が東京スプリントJpnIII(大井1200m)。19年2着ヨンカー(船橋)、3着ノブワイルド(浦和)は、ともに同年のフジノウエーブ記念(大井1400m)に出走しており、近走1400m以下の重賞やオープンを使われていた馬は、そのレースで大敗していても有力視できる。
16年1着のフラットライナーズ(船橋)はその後、習志野きらっとスプリント(船橋1000m)、カペラステークスGIII(JRA中山1200m)、船橋記念(船橋1000m)と出走し、17年にこのレース連覇を達成。18年も2着に入った。

ライター: 栗田勇人

 

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第1回川崎スパーキングスプリント(SIII)

注目馬情報

■ポッドギル(牝5歳 大井・鈴木啓之厩舎)

写真:真鍋元

3歳時にはユングフラウ賞を制して桜花賞へと進んだが、そこからはスプリント戦線へとシフトチェンジ。昨年からは積極的に左回りのワンターンの競馬を使うようになり、川崎900mは3勝、2着1回、3着1回と経験豊富ですべて馬券圏内。前走の直線の切れ脚は鋭くゴール前では余裕すら感じられた。

「前走はアブミが外れるくらい致命的なスタートだったけどそのあとがいいレースだったね。900mは上手く対応できている。優駿スプリントの頃は腰のバランスで右側に弱さがあったぶん左回りの方が良かったので、それなら短い距離を使ってみようということになったのがピッタリだったね。内で馬群に包まれるより外に出した方が伸びてくる」と鈴木啓之調教師。

ひと叩きされた今回は状態面もアップ。
先行、差しと自在に立ち回れる器用さが魅力で、短距離戦線ではうるさい存在になっていきそうだ。

■カプリフレイバー(牡4歳 船橋・稲益貴弘厩舎)

写真:真鍋元

昨年の優駿スプリントでは逃げ切って優勝。6戦5勝で手にしたタイトルだったが、その後は不利があったり、出遅れたりと不完全燃焼なレースが続いている。フジノウェーブ記念後にはリフレッシュ放牧に出されて充電。今回は3カ月ぶりの実戦だ。

「このレースを目標に休養先でも乗り込み、帰ってきてからも心臓ができるまで十分乗っている。5月30日には川崎へ運んで馬場見せをしたが、急カーブを気にすることもなく、物見もしなかった。このところゲートが悪かったが、しっかり練習をしているからもう大丈夫だと思う。逃げにこだわらず抑えた競馬もできるはず」と稲益貴弘調教師。

初めての川崎コースになるが、スクーリングもして万全の態勢。
3歳スプリントの頂点レースを制した生粋の短距離馬であり、馬体の緩さが解消し、気持ちのスイッチも入ってきたとなれば実力はこのメンバーでもヒケは取らない。

■ダンディーヴォーグ(牡4歳 川崎・内田勝義厩舎)

写真:真鍋元

前走は激しいせめぎ合いの末ハナを取ったようにスピードは非凡。デビューから900m中心のローテーションで、挙げた8勝はすべて900m戦でのもの。前走の前にリフレッシュ放牧に出ていたが、ここで馬体もひと回り成長。真面目な気性もあってテンのスピードにも磨きがかかった印象だ。

「A1の馬が相手になるがハナに行きたい。ずっと被らない競馬をしてきているからね。テンのスピードがある馬だし、自分のかたちに持って行ければ力が出せる。55キロの斤量もプラスになると思う」と町田直希騎手。

A2の格下からの挑戦で、斤量を味方につけてスピード勝負したいところ。前走時に高速タイムを出したこともあって今回の調整は軽めだが、十分に仕上がっている。

■カレイドスコープ(牝6歳 川崎・佐々木仁厩舎)

写真:真鍋元

中央では2勝クラスを走っていたが、昨年春に川崎に移籍すると1200m戦を中心に使われ、1勝、2着4回とあと一歩詰め切れないレースが続いた。距離を縮めたのは今年の春から。地元900m戦を3度使って勝ちきれないまでも掲示板は確保している。

「もともとスピードあるタイプですし、気性が前向きなので900mが合いますね。だいぶ900m慣れもしてきました。前走で2着に負けたのは内と外のコース取りの差。砂を被っても大丈夫なので900mのタイムはもっと詰められるはずです」と藤本現暉騎手。

前走の準重賞スパーキングスプリントチャレンジでは2着で優先出走権をゲット。手の合う藤本騎手は若手の有望株で、重賞タイトルは喉から手が出るほど欲しいことだろう。斤量53キロの軽量でうまく流れを捌いてチャンスを掴んでほしい。

■ヴァケーション(牡4歳 川崎・高月賢一厩舎)

写真:若松亮太

2歳時には全日本2歳優駿JpnIを優勝してNARグランプリ2歳最優秀牡馬にも選ばれた2歳チャンプ。その後のクラシックではリズムを崩して東京ダービーも自重するに至ったが、最近は積極的に他地区に挑み、名古屋・秋の鞍では優勝。園田・楠賞、高知・黒船賞JpnIII、名古屋・東海桜花賞と遠征競馬が続いた。前走は久しぶりの地元マイルを走ったが直線伸びきれず5着だった。

「距離適性というより行き脚をつけさせたいと、この距離を選んだ。忙しい距離だが、もっている力を引き出せたらいいと思う。追いきりの動きからも状態面は整っているのがわかる」と高月賢一調教師。

新馬戦以来の900m戦になるが、陣営の言葉からもきっかけを探っているのがわかる。気性面のスイッチが入った走りを再び見せてほしい。

■ドリームドルチェ(牡9歳 浦和・小久保智厩舎)

写真:谷口浩

2019年秋に浦和に移籍し、初戦はJBCスプリントJpnI(8着)。名古屋・東海桜花賞に遠征すると3コーナー過ぎに先頭に立つ強い競馬で4馬身圧勝。続く名古屋・かきつばた記念JpnIIIではラプタスの3着と健闘した。
しかしその後、骨折が判明し長期休養を余儀なくされた。
今回は1年1カ月ぶりの実戦で、乗り込み量は豊富だとしてもレース勘がどこまで戻っているかが懸念材料。

「短いところを自分で乗ったことがないのでなんとも言えませんが、背中が良くていいものをもっています。逃げても差しても、いろいろな競馬をしてますから良いイメージしかないですね。ただスピードがあっても900mは特殊ですから」と本橋孝太騎手。

中央時代は短距離中心に使われていたとはいえ、長期休養明けで初めての電撃900m戦で地力を発揮できるか。

プロフィール_2


写真:真鍋元

第1回川崎スパーキングスプリントは、昨年までの特別戦から川崎初の900m重賞へと昇格。また、スーパースプリントシリーズの南関東予選でもあり、1、2着馬には7月21日に船橋で行われるファイナル・習志野きらっとスプリントへの優先出走権が与えられる。
 ワンターン900mの電撃戦となれば、まずはスタートが鍵。出遅れる馬もなく全馬きれいなスタートを切ったが、ダッシュ力の違いでダンディーヴォーグが先頭に立った。外から1番人気のカプリフレイバーも食らいつき2番手をキープ。昨年の覇者ポッドギルも好ダッシュを決めたが、深追いをせず3、4番手を位置取った。
 マイペースに持ち込んだダンディーヴォーグが逃げ切りを図るが、カプリフレイバーが直線半ばから力強く伸びて2馬身半差しきり、初代王者に輝いた。
 2着には逃げ粘ったダンディーヴォーグ。3着にはポッドギル。
後続も追い上げを見せたが、前も止まらず、結局は人気馬同士の行った行ったの決着になった。


写真:小川慎介

■1着 カプリフレイバー

3カ月ぶりの実戦。マイナス17キロではあったが、休み前の増量分が戻ったかたち。初コースながら課題のスタートも決まり、先行し好位でレースを進める。4コーナーではそうラクな手応えには見えなかったのだが、真島大輔騎手の渾身の追い上げに応えて直線は力強く伸びた。昨年の優駿スプリント以来の勝ち星で、2つ目の重賞勝ちとなった。

<稲益貴弘調教師>
良いレースだったと思います。ゲートだけが心配ですが普段から扱いやすい従順な馬で、良いスピードをもっています。もっと走ると思ってやってきたんですがなかなか結果が出ず、今日の勝利は本当にうれしい。船橋記念で3着したレースぶりから1400mくらいでも大丈夫かと思って前走使ったんですが明らかに長かった。1200m以下でいこうとここまで待機して調教を積んできました。このあとは習志野きらっとスプリントに行きたいと思います。

 

<真島大輔騎手>
以前乗った時より成長を感じました。身体も成長してしっかりしたなというイメージ。スタートに不安なところがあるんですけど、よく我慢して出てくれました。2番手でスムーズな競馬ができて、人間には余裕がなかったが馬は余裕だったみたい。前に乗った感じから900mは少し忙しいかと思っていたら、器用にこなしてくれましたね。これからの馬なので楽しみです。短い距離でもっと大きなところを狙える馬だと思います。

■2着 ダンディーヴォーグ

逃げてこそ本領発揮できるタイプなだけに、十分力を出し切った結果。A2からの格上挑戦で斤量差もあったが、現段階では勝ち馬との力の差は明か。

<町田直希騎手>
スタート良くハナに立って、これ以上ないレースができたのですが、力の違いを見せつけられた感じ。完敗です。

■3着 ポッドギル

スタートダッシュは良かったが、深追いはせず、馬のリズムを考えた乗り方。直線もよく伸びたが前も止まらなかった。川崎の900mは得意としており、これで6戦すべて馬券圏内。

<矢野貴之騎手>
スタートはうまく出たが、いろいろ考えすぎて位置取りが微妙に悪くなったし、4コーナーでは外に振られた。ちゃんと乗れても勝った馬は強いですね。

■4着 フランシスコダイゴ

内枠の利もあったが、二の脚が速く前々で競馬ができて久々の入着。次につながるレース内容だった。

<左海誠二騎手>
久しぶりに乗ったが馬が落ち着いていた。休み明けで反応が鈍かったところもあるが、そのわりに良い競馬ができた。1度使って次はまた違うだろう。習志野きらっとスプリントに出てきたら面白いかもしれない。

■5着 カレイドスコープ

なかなか勝ちきれずにいるが、終いの脚は確実。今回も格上相手に軽量を生かして入着を果たした。

<藤本現暉騎手>
上のクラス相手で斤量が軽いのもありますが、今回の感じからしてもう少し成長してくれそうですね。900mも慣れてきたので、もう少し長くてもいい脚を使ってくれると思います。

■6着 ハングリーベン

中央からの転入初戦。900mは少し忙しそうだったが、終いはしっかり伸びており、まずまずの走り。自己条件ならあっさり勝機も。

<藤江渉騎手>
初めてだったのもありますが、忙しくて馬が900mの競馬をわかっていなかったのかもしれません。スピードがありますし使ってくれば違うと思います。攻め馬は動かないので掴めなかったんですが、実戦で動くタイプですね。

■7着 ヴァケーション

新馬戦以来の900m戦。スタートも良く、好位のまずまずの位置にはつけていたが、この馬には息が入りづらい流れで、終いも伸びきれなかった。

<森泰斗騎手>
スタートは良かったんですけどね。忙しくて流れにも乗れなかったですね。それなりの位置に取り付けたのですが、この距離は適性外かもしれません。

■8着 ナガタブラック

スタートに課題があり、五分に出られたのは久しぶり。末脚に期待したが、今ひとつ切れのある脚は使えなかった。

<伊藤裕人騎手>
今日はうまくゲートは出ましたね。調子さえ戻ってくればまた違うと思います

■11着 アドマイヤゴッド

900mは未知の距離。大外枠の不利もあり、9歳馬には厳しい流れだった。

<今野忠成騎手>
久々の短い距離でしたが、やはり忙しかったですね。