重賞レース

第20回 ローレル賞(SII)

  • 2020年11月10日 20:10発走
ローレル賞

レースガイドRACE GUIDE

大晦日の東京2歳優駿牝馬とともにグランダム・ジャパン(GDJ)の対象競走となっている。GDJがスタートした2010年より前も含めると、両レースとも勝ったのは7頭。19年はブロンディーヴァ、ルイドフィーネ、ミナミンの地元川崎・内田勝義厩舎勢が1〜3着独占の快挙を達成した。【1〜3着の牝馬に東京2歳優駿牝馬の優先出走権を付与】

コースガイドCOURSE GUIDE

4コーナーのポケットから発走し最初のコーナーまで500mあり、さほどハイペースにはなりません。差し馬にとってはカーブがきつい3コーナーでうまく立ち回ることが求められます。

1600m
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昨年は地元川崎が1〜3着を独占

※データは、地方全国交流になってからの過去9年分(11〜19年)を対象にした。

■かつてほどは荒れない

1番人気は3勝、2、3着各1回であまり信頼はできない。3連単では12→7→5番人気で入った12年に356万1630円という高額配当を記録するなど、2歳戦らしくかつては荒れた。しかし15年以降の過去5回では2840円から4万5390円の間に収まっており、3着以内馬15頭中10頭は3番人気以内。傾向に変化がみられる。

【単勝人気別成績】(過去9回)

1着 2着 3着 着外
1番人気 3 1 1 4
2番人気 2 0 3 4
3番人気 2 1 1 5
4番人気 1 1 0 7
5番人気 0 3 1 5
6番人気以下 1 3 3 70

■北海道と川崎が好成績

もともと北海道が好成績で、12、13年、15〜18年は1〜2頭が3着以内に入っていたが、19年は出走した2頭とも馬券圏外。その19年は川崎・内田勝義厩舎が1〜3着を独占。地元馬は出走頭数が多いとはいえ3着以内馬の数では北海道の7頭を上回る10頭。17〜19年には3連勝と近年は好成績を残している。大井の2勝は12、14年、船橋の1勝は11年で近年は勝ち切れていない。浦和の2、3着各1回は16、17年で出走数は少なくても警戒したい。

【単勝人気別成績】(過去9回)

所属 1着 2着 3着 着外
北海道 3 0 4 12
川崎 3 4 3 32
大井 2 1 1 13
船橋 1 3 0 21
浦和 0 1 1 11
上記以外 0 0 0 6

■エーデルワイス賞1、2着馬を信頼

北海道勢は、エーデルワイス賞JpnIII(門別1200m)を使われての参戦がほとんど。同1、2着馬が出走してきたときは3勝、3着1回(着外1回)の好成績。3着以下から複勝圏内に入った3頭中2頭も勝ち馬とは1秒差以内で牝馬では上位の力があった。

■鎌倉記念、小町特別上位馬が好成績

トライアルは鎌倉記念(川崎1500m)だが、同レース出走馬で馬券に絡んだのは3頭のみ。11年3着クリヤマキアート(大井)、17年1着ゴールドパテック(川崎)、19年3着ミナミン(川崎)で、いずれも鎌倉記念では牝馬として最先着の3着だった。
なお近年好相性なのが、JRA認定・小町特別。17年の2着馬は小町特別2着、18年の2着馬は同1着、19年1着ブロンディーヴァ(川崎)、2着ルイドフィーネ(川崎)は同1、2着からの参戦。小町特別の連対馬にも注目したい。

■大敗からの巻き返しは厳しい

3着以内馬27頭中25頭は前走3着以内。例外の2頭は、前走がエーデルワイス賞JpnIIIで各4、8着だった。

【3着以内馬の前走着順別頭数】(過去9回)

前走着順 頭数
1着 15
2着 6
3着 4
4着以下 2

 

ライター: 栗田勇人

 

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第20回ローレル賞(SII)

注目馬情報

■ナジャ (牝2歳 川崎・高月賢一厩舎)

写真:真鍋元

デビュー戦で2着を9馬身ちぎり、2戦目は大差勝ちと大物感ある走りを見せてきたが、3戦目の鎌倉記念は男馬相手で同型馬も揃い、初めて追うかたちの競馬で黒星を喫した(5着)。とはいっても最後まで脚いろが鈍ることなく控える競馬を経験したことは大きな収穫だった。

「前走はよく辛抱して走ってくれましたね。その経験は生きるはずです。行ければ理想ですが、揉まれる競馬を経験したぶん、必ずしも逃げなくても大丈夫だと思います。バネは相変わらずいいけど、馬がまだ若くて、走るたびに違う課題が出てくる段階。成長が楽しみでもあります」と矢野貴之騎手。

気性面の課題もあり、まだ荒削りなぶん伸びしろも十分といえるだろう。牝馬同士なら現時点での存在感は一枚上。

■ディアリッキー (牝2歳 船橋・新井清重厩舎)

写真:小金井邦祥

デビュー戦は1500mを大差勝ちと大物感ある走りっぷり。2走目も2番手で折り合って完勝だった。距離はマイルに延びるが、折り合い面の不安がないぶん、すんなりこなしてしまいそうだ。

「粘り強い先行力が魅力です。砂をかぶったことはありませんが、気性が真面目な馬だから、もし、かぶる展開になっても対応できると思う。逃げにこだわらなくても大丈夫そう」と本田正重騎手。

ここまで先行して成績を上げてきた馬も多いなかで、逃げにこだわる注文がつかないのは強みになりそうだ。

■ケラススヴィア (牝2歳 浦和・小久保智厩舎)

写真:小金井邦祥

当初のデビュー戦は左後肢の外傷で出走を取消しているが、いざデビューとなれば新馬戦で800mを47秒7の破格タイムで逃げ切り楽勝。2戦目の前走は距離が1500mに一気に延びたが先行策から直線は3馬身抜け出した。

「小柄なわりに身のこなしが活発で運動神経の良さがわかります。
能力的には見劣りしないと思うが、何しろ経験が少ないので、ここで目処の立つ競馬をしてほしい」と森泰斗騎手。

新馬戦で騎乗して以来になる森騎手にスイッチしたが、能力的な評価は高く、マイルに延びるのも苦にしないはず。期待の方が大きい。

■セカイノホシ (牝2歳 北海道・林和弘厩舎)

写真:山下広貴

レベルの高い道営で3勝。牝馬重賞フルールカップでも3着している。短距離のイメージは強いが、スピードは確か。川崎向きの先行力をどこまで生かせるか。

「テンのスピードならリーチ(鎌倉記念勝ち馬)より速い。左回りは調教でもスムーズにこなして動きも良かった。距離はこなせると思うが、とにかく初めてなのでその点は気になるね。またがったジョッキーはマイルぐらいまでならこなせると言っている」と林和弘調教師。

初めての左回り、距離経験や長距離輸送の影響など懸念材料もあるが、折り合いのつくレースぶりからマイルの距離も難なくこなしてしまうかも。

■ファストトラベル (牝2歳 船橋・林正人厩舎)

写真:真鍋元

デビュー勝ち以来、3着、2着、2着と勝ち星はないが、先行主体のレース運びで内容は悪くない。

「今回はテンの速い馬も多いし、前で競馬することにこだわっていない。前走よりさらに一列後ろでも競馬はできる。一戦一戦勉強しているのがわかるし、レースが上手になっている。馬体の成長はまだこれからだが、忙しい1500mより距離がマイルに延びるのは歓迎です」と林正人調教師。

ここまで4戦、惜敗も多いが、様々な流れに対応し1戦ごとにタイムを詰めているのは成長の証だろう。

■ベツセタイ (牝2歳 川崎・高月賢一厩舎)

名古屋競馬でデビューし、3戦無敗で川崎に移籍。圧巻だったのは前走の2歳特別セレクトゴールドでのレースぶり。道中置かれた最後方からひとマクリで4コーナーでは3番手まで上がってきたと思えば、そこから直線6馬身突き放す1頭だけ次元の違う競馬をしていた。

「馬体は小さいが、ストライドが素晴らしい。気性的にまだ幼く、怖がりな面もあるようだが、追い切りでも時計以上の内容を見せていた。転入戦で未知数な部分もあるが前走を見ると見応えがあったね」と高月賢一調教師。

最終追い切りは、幼さを出してコーナーで遅れる場面もあったが、そこからまた二の脚を使って伸びてきた。初コースになるが、直線が長くなるのはプラス材料で、1400m戦であれだけの競馬ができるなら、1600m戦での爆発力を期待したい。

■サラママ (牝2歳 大井・藤田輝信厩舎)

写真:真鍋元

前走は鎌倉記念に参戦。スタートは良かったものの、道中はこれまで経験したことのない流れで後方からの競馬に。結果は10着だったが初物尽くしの中でひと脚使う競馬ができて収穫もあった。距離が未経験の馬も多い中で、これまで1600mは3回走って2着、3着、1着と実績十分。

「前走は初コース、初の左回り、ナイターも初めてでしたが問題なく、最後まで一生懸命走っていました。ただ、レース後は思った以上に疲れがあってケアに努めてようやく回復。抑える競馬も経験して揉まれても大丈夫なので、今度は牝馬同士で期待しています」と藤田輝信調教師。

デビュー当時にあった気性面の難しさもなくなり、積極的な競馬にも抑える競馬にも対応でき、今回は強気な競馬になりそうだ。

プロフィール_2


写真:真鍋元

ローレル賞は2歳牝馬の地方全国交流重賞。グランダム・ジャパン2歳シーズンの一戦でもある。
今年は北海道から1頭が参戦し、フルゲート14頭のうら若き乙女たちの闘い。

セカイノホシの逃げに、ナジャがぴったりマーク。3番手インにケラススヴィアがつけ、それを見ながらディアリッキーが位置取る。
人気の一角が先行集団で競馬を進める平均ペース。勝負どころから徐々に速度が上がっていった。
結局は前を行く4頭の争いとなり、直線でキッチリ伸びたケラススヴィアが優勝。無傷の3連勝で重賞制覇となった。
セカイノホシが最後まで粘り込みを図り2着を確保。
1番人気のナジャはひと伸び足りず3着に終わった。

ローレル賞は年末の東京2歳優駿牝馬のトライアルでもあり、1~3着馬は優先出走権を獲得した。


写真:小川慎介

■1着 ケラススヴィア

スタートがよく、そのまま逃げるのかと思われたが、セカイノホシにハナを譲るかたちで控えた。
3番手でうまく折り合い、直線もよく伸びていたし、レース運びは完璧。馬は430キロ台と小柄だがスケール感があり、精神力の強さを感じさせる走りだった。

<小久保智調教師>
状態は良かったんですけど、やはり初輸送は響きましたね。森騎手は一度乗っているので特にこちらから言うことはありませんでした。状態は一戦一戦上がって勉強していると思います。いろんなことを覚えて、桜花賞まで負けなしで向かいたいですね。

 

<森泰斗騎手>
新馬戦で乗ったときから素質が高く楽しみにしていた馬。ひとつ重賞を勝たせることができてうれしい。逃げてもいいと思いましたが、周りの馬も速く、今後のことを考えて控えました。初めて砂をかぶる競馬も心配していたが、びっくりするくらい動じることなく走ってくれて。前に目標になる馬がいたし、3コーナーで外に出せるスペースがあったので、ゴーサインを出しました。厩舎力の良さからも進化している印象です。今後、距離が延びても大丈夫だと思うので、期待しています。本当に無限の可能性を持っている牝馬。順調に育っていけばいい馬になると思います。

■2着 セカイノホシ

北海道からの遠征馬で1000mを中心に使われていた馬だが、初コースも距離延長もそれほど問題はなかった。マイペースの逃げに持ち込み、最後までしっかりした脚いろで、勝ち馬に差されはしたがバテている感じでもなかった。

<石川倭騎手>
初物尽くしの中でよく頑張っていましたが、向正面の入りでビジョンを見て気にしていたんですが、それがなければ違ったかもかもしれません。

■3着 ナジャ

気性面の幼さが課題の馬だがこれまでのレースぶりから単勝1.6倍と人気は断トツ。今回はいつもに比べて落ち着いているように見え、走るリズムは悪くなかったが、追ってからの伸びが今ひとつだった。

<矢野貴之騎手>
距離も微妙に長いのかもしれないし、2番手だと気を良く走りすぎてしまいます。ハナならまた違っていたのかもしれない。途中遅くなったところで行ってしまおうかと思ったが、今後のために2番手で我慢させた。今回が一番操縦性よくレースができましたね。バネはいいものを持っているのでこれから経験を積んでかたちになっていくと思います。

■4着 ディアリッキー

スタートは良かったものの初めての揉まれるかたちの競馬。
ケラススヴィアをマークしながらレースを進めたが、前を行く馬たちの脚いろが鈍ることなく結果4着に。

<本田正重騎手>
初めて(砂を)かぶる競馬をして、最初は戸惑っていましたが、めちゃめちゃ嫌がっていたわけでもなかったので大丈夫そう。切れる脚があるわけではないので、距離が延びて良さそうですね。展開ひとつで逆転はありそうな手応えはありました。初めてこういう強いメンバーとやりましたが敵わないという感じでもなさそう。

■5着 オルディノ

ロスの少ない競馬で入着を果たした。道中はいつもより前めに位置取って中団からだったが、終いの脚はしっかり伸びていた。

<本橋孝太騎手>
ためる乗り方で外に出して、左回りにも最初乗ったときから対応していましたからね。賢い馬です。

■6着 セントレガーロ

後方から徐々に進出し6着まで追い上げてきた。未勝利馬にしては健闘と言えるだろう。

<岡村健司騎手>
もう少しで入着だったので惜しかったですね。スタートでスムーズに流れに乗れれば良かったんですが。今日は終いの脚が切れたんで内容自体からは馬の成長を感じます。中身が充実してきているし、良くなる余地はあると思います。

■7着 ベツセタイ

名古屋3戦無敗で移籍した緒戦で初物尽くし。今回は使わなかったが、慣れてくれば持ち味の鋭い脚も見せてくれることだろう。

<笹川翼騎手>
左回りでもモタれることなく、力はありますね。向正面で上がっていったぶん脚を使ってしまいましたが、我慢させて直線弾ける競馬の方が合っているのかもしれません。距離は持ちますし、乗り方ひとつで着順が変わってきそう。外枠は不利でしたね。

回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
19 令和元年 ブロンディーヴァ 牝2 御神本 訓史
18 平成30年 アークヴィグラス 牝2 瀧川 寿希也
17 平成29年 ゴールドパテック 牝2 瀧川 寿希也
16 平成28年 アップトゥユー 牝2 阿部 龍
15 平成27年 モダンウーマン 牝2 阿部 龍
14 平成26年 ララベル 牝2 真島 大輔
13 平成25年 クライリング 牝2 御神本 訓史
12 平成24年 デイジーギャル 牝2 真島 大輔
11 平成23年 ドラゴンシップ 牝2 御神本 訓史
10 平成22年 オリークック 牝2 坂井 英光
9 平成21年 キョウエイトリガー 牝2 柏木 健宏
8 平成20年 ヴィクトリーパール 牝2 佐藤 博紀
7 平成19年 マダムルコント 牝2 町田 直希
6 平成18年 エイコークック 牝2 的場 文男
5 平成17年 ダガーズアラベスク 牝2 内田 博幸
4 平成16年 スコーピオンリジイ 牝2 今野 忠成
3 平成15年 ビービーバーニング 牝2 甲斐 年光
2 平成15年 マルダイメグ 牝3 的場 文男
1 平成14年 ラヴァリーフリッグ 牝3 石崎 隆之