コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

平成25年度第1回開催 C2三 他

4月15日~19日の開催では、新人の瀧川寿希也騎手がデビュー。そしてその初日、3戦目の騎乗となった第4レースで、所属する田邊陽一厩舎のジュウニントイロに騎乗して見事初勝利を挙げました。 また、同日第8レースでは、おなじみの2013春・川崎ジョッキーズカップが行われ、佐藤博紀騎手が勝利しました。この開催のメインとして行われた3歳馬による重賞クラウンカップは、船橋のアメイジアが制しました。鞍上は、川崎に期間限定騎乗で所属していたこともある吉原寛人騎手でした。 今回は、瀧川騎手の初勝利も含めた3レースについてうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2013年4月15日(月)C2三

優勝馬 ジュウニントイロ

斎藤
この日デビューの瀧川寿希也騎手はこれが3戦目。中団からの追走でした。
竹見
外枠からのスタートでしたが、行く馬を先に行かせて、慌てずに内に入れていって、ロスの少ないところをうまく走っています。デビューしたばかりで、なかなかこうは落ち着いて乗れません。
斎藤
直線、外から差し切りました。
竹見
3~4コーナーを回るところでもまだ中団でした。馬も強かったですが、直線はよく伸びました。4コーナーを回るところでは、ちょっと外に膨らみましたが、この程度はしかたないでしょう。スタートのセンスもすごくいいし、特にコーナーの回り方がうまいです。これから数を乗せてもらえれば、先々、楽しみなジョッキーです。

2013年4月15日(月)2013春・川崎ジョッキーズカップ

優勝馬 クリスチャンラヴ

斎藤
スタート後の直線は3頭、4頭が競り合って行きました。
竹見
それで前がちょっと速くなって、5番手以下は少し離れる展開になりました。ペース的によかったのは、先行勢のうしろを追走したあたりでしょう。勝った佐藤博紀騎手のクリスチャンラヴ、2着拜原騎手のミッドナイトブルーは、じっくりと中団からでした。4コーナー手前では、うまいところで外に持ちだして、抜けてきました。
斎藤
最後は2頭の追い比べになりました。
竹見
テンが速かったので、早めから他の馬が追い通しになったのに対して、1、2着馬は脚を溜めて、よく伸びてきました。直線では、拜原騎手のほうが優勢でしたが、最後はクビの上げ下げに持ち込んで、佐藤騎手は最後によく交わしたと思います。このくらいのレベルになると、さすがに追ってきますね。

2013年4月17日(水)クラウンカップ

優勝馬 アメイジア

斎藤
スタート後は先行争いが激しくなりました。
竹見
大外枠から内田利雄騎手のトーセンハクオウが無理にでもという感じで行きましたからね。リコーハラマ、オベロンホワイトがついて行って、前は飛ばし過ぎた感じです。
斎藤
勝ったアメイジアの吉原寛人騎手は中団からでした。
竹見
好スタートでしたが、1コーナーまでの直線はちょっとずつですが追い通しで行っているので、ズブいところがあるのかもしれません。それでもこのハイペースで、いいところにつけたと思って見ていました。3コーナーあたりで単独先頭だったリコーハラマに並びかけていったときにも手ごたえが楽でしたから、あのあたりで勝ったと思いました。
斎藤
アメイジアは重賞初制覇でした。
竹見
馬格があって、以前からいい馬だと思って見ていました。冬の間はあまり仕上がっていないようでしたが、大事に使っていけば、さらに強くなると思います。距離はさらに延びてもいいと思います。