コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

平成25年度第12回開催 川崎記念 他

1月27日~31日の開催のメインは、年明け最初に行われるJpnI、川崎記念。昨年GI/JpnI・4勝を含むダートグレード7勝のホッコータルマエが貫録勝ちとなりました。 この開催では恒例となった佐々木竹見カップ・ジョッキーズグランプリが行われ、浦和の繁田健一騎手が2度目の優勝を果たしました。またその日の最終レースには、本企画をレース名に冠した『王者の眼差し特別』も行われました。 今回はこの4レースについて佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2014年1月29日(水)川崎記念 JpnI

優勝馬 ホッコータルマエ

斎藤
逃げたのはやはり武豊騎手のトウショウフリークでした。
竹見
トウショウフリークは今回も行きたがっていて、普通はこの川崎の2100メートルであれば、スタンド前でペースを落とせればいいのですが、ますます後続との差が広がりました。武騎手で抑えがきかないのですから、かなり気性的に難しいところがあるかもしれません。それでも直線でばったり止るわけではなく、勝ち馬から5馬身半ほどで3着ですから、もう少し抑えがきくようになれば結果もよくなると思うのですが。
斎藤
断然人気になったホッコータルマエの幸騎手にとっては、これだけ離して逃げられると、どこから追いかけるかの判断が難しくないでしょうか。
竹見
それはないと思います。馬の力差はわかっていますから、落ち着いて乗っていたと思います。とにかく自分のペースを崩さずに、3コーナーあたりからとらえに行けばというレースでした。
斎藤
最後は岩田騎手のムスカテールが半馬身差まで迫りました。
竹見
迫っては来ましたが、この差がなかなか縮まらないのが、力の違いでしょう。ホッコータルマエは、他の馬が来ても抜かせないところが強さです。ムスカテールに勝つ可能性があったとすれば、大外の離れたところから追い込んだときでしょう。

2014年1月28日(火)マイスターチャレンジ

優勝馬 トウカイフェスタ

斎藤
先行は8枠の2頭でした。
竹見
山崎誠士騎手のユーコーフラッシュが逃げるかと思ったのですが、外から桑村騎手(アキノアッパー)と繁田騎手(トウカイフェスタ)が思い切って行きました。普段乗っている馬ではないですから、おそらく調教師からの指示があったのでしょう。ユーコーフラッシュは思ったよりダッシュがつきませんでした。
斎藤
隊列が決まってからは、道中はほとんど動きがありませんでした。
竹見
後続勢から仕掛けてくる馬もなく、ペースがあまり速くならなかったので、逃げた前2頭での決着になりました。最後は繁田騎手が交わして勝ちましたが、2着の桑村騎手は、騎乗姿勢がいいし、馬への当りが柔らかいのがいいです。去年は北海道リーディングにもなって、スーパージョッキーズトライアルが惜しくも1ポイント差の2位で、こういう若い騎手にはどんどん出てきてほしいですね。

2014年1月28日(火)ヴィクトリーチャレンジ

優勝馬 ケイエスキングオー

斎藤
1周目は長距離らしい流れになりました。
竹見
ペースが落ち着いて、1周目のスタンド前では掛かる馬が何頭かいました。特に内に入った真島騎手(ハテンコウ)などは、外に持ち出すわけにもいかず、抑えきれない感じでした。どれかが行くかと思って見ていましたが、向正面まではレースが動きませんでした。
斎藤
勝った赤岡騎手(ケイエスキングオー)は中団の内、2着の繁田騎手はそのうしろからでした。
竹見
どちらも内目の枠で、2番の山口騎手(ビーユアエンジェル)が逃げたのを見て控えたのでしょう。1、2着馬は折り合いがついていました。向正面でまず動いたのは御神本騎手(ダンスピース)でした。御神本騎手の馬はもう少し粘るかと思いましたが、着外でした。
斎藤
赤岡騎手は4コーナーから直線を向いたところでうまく外に持ち出しました。
竹見
すぐ前にいた的場騎手(ステップインタイム)にはまだ手ごたえがありましたから、赤岡騎手はそれについていって、外に視界が開けました。それでぽっかり空いた内を突いたのが繁田騎手です。直線ではうまく間を割って伸びてきました。繁田騎手は1戦目を勝っているので、その勢いもあったでしょう。人気薄でしたが、二人とも好騎乗でした。

2014年1月28日(火)王者の眼差し特別

優勝馬 パラダイスデイ

斎藤
スタート後は3頭が競り合いました。
竹見
外から行く気を見せたサイドシルの石崎駿騎手はさすがに1コーナーの手前で控えましたが、フレッシュメイトの笹川騎手と、マイネルピトレスクの楢崎騎手は、さすがに飛ばし過ぎだったと思います。
斎藤
それでも笹川騎手は直線まで先頭で粘っていました。
竹見
一生懸命に走るタイプの馬ですから、仕掛けたらそのまま抑えがきかなくなったのかもしれません。結果は5着でしたが、もし競りかけられずにすんなり逃げられていれば粘りきったかもしれません。次のレースで単独で逃げられるようならおもしろいでしょう。
斎藤
勝ったパラダイスデイの川島正太郎騎手は4番手からでした。
竹見
前が競り合いましたから、絶好の追走でした。控えたこの馬にとってはいいペースで、川島騎手は落ち着いて乗っていました。ずっと乗っている馬なので、脚質や馬のこともよくわかっていたんだと思います。森騎手のマイネルウィットが最後、半馬身差まで迫りましたが、ハイペースを読んで中団からいいペースで乗っていました。