コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

平成27年度第12回開催 川崎記念 他

1月25~29日の開催では、恒例の佐々木竹見カップジョッキーズグランプリが行われました。上位3名が同ポイントで並ぶという接戦で、総合優勝は第2戦を制したJRAのミルコ・デムーロ騎手でした。川崎所属騎手は、山崎誠士騎手が12位、町田直希騎手が14位という結果でした。また最終レースに行われた『王者の眼差し賞』はゴール前3頭の接戦となり、勝ったのは大井の真島大輔騎手でした。 そして今年最初のJpnI、川崎記念は、ホッコータルマエが3連覇を果たしました。 今回はこの4レースについて、佐々木竹見さんにうかがいました。(聞き手・構成/斎藤修)

2016年1月27日(水)川崎記念

優勝馬 ホッコータルマエ

斎藤
ホッコータルマエは今回も好スタートでした。
竹見
サミットストーンがハナを取りにいきましたが、おそらく逃げるのは決めていたのでしょう。それで縦長の展開になりました。ホッコータルマエの幸騎手は、どの馬が行っても関係ないという乗り方でした。1周目のスタンド前でうしろを振り返って、相手はサウンドトゥルーしかいないという乗り方をしています。前は気にせず、うしろばかり見ていました。
斎藤
向正面ではサウンドトゥルーが内からホッコータルマエに並びかけてきました。
竹見
幸騎手がうしろを確認したところで、サウンドトゥルーが内から並びかけてきましたから、幸騎手は不意を突かれたのではないでしょうか。それだけにサウンドトゥルーの大野騎手の仕掛けはよかったと思います。ただあそこで行き切ってしまってもよかったかもしれません。
斎藤
ホッコータルマエは3コーナー過ぎでまた差を広げています。
竹見
ホッコータルマエは、直線で早めに先頭に立って、サウンドトゥルーが並びかけてきましたが、最後まで交わさせませんでした。こういうパターンになるとホッコータルマエは強いです。サウンドトゥルーは川崎は初めてで、きついコーナーで少し置かれるところがありました。

2016年1月26日(火) 佐々木竹見カップジョッキーズGP マイスターチャレンジ

優勝馬 キネオアレグロ

斎藤
真島騎手が逃げて、人気の戸崎騎手が2番手から。勝った矢野騎手は6番手あたりの追走でした。
竹見
真島騎手がいいペースでレースを引っ張りました。デムーロ騎手はラチ沿いのいい位置を追走していました。
斎藤
矢野騎手はどのあたりの判断がよかったですか。
竹見
前にいた人気の戸崎騎手を目標に、3コーナーから早めに動いていったのがよかったと思います。真島騎手が平均より少し早いペースで逃げてくれたことで、矢野騎手はレースをしやすかったと思います。
斎藤
1番人気の戸崎騎手が2着に粘って、3着は、ゴール前で突っ込んできた人気薄の左海騎手でした。
竹見
左海騎手は中団よりうしろからの追走でしたが、3~4コーナーで内々をうまく回ってきたのがよかったです。

2016年1月26日(火)佐々木竹見カップジョッキーズGP ヴィクトリーチャレンジ

優勝馬 ストリークライト

斎藤
連勝中の馬が当たって1番人気に支持されたのがデムーロ騎手でした。
竹見
スタートもよかったですし、5番手あたりの馬群の中でじっと我慢していました。普通なら3コーナー手前あたりで外に持ち出して仕掛けていくところですが、そこでもまだ我慢していました。そのあたりが普通の騎手とは違うところです。私なんかでも、あそこまで我慢して乗ることはおそらくできなかったと思います。その道中で我慢したぶんが、最後、ゴール前の伸びにつながりました。
斎藤
初めて騎乗する馬でも、脚の使いどころとかはわかるものなのでしょうか。
竹見
終いのいい馬だということはおそらくレース前に聞いていると思いますが、それにしてもよく最後の脚を使いました。道中の位置取りから、最後の追い出しから、感心して見ていました。
斎藤
2着の真島騎手は、デムーロ騎手の直後を追走していました。
竹見
4コーナーでは前の馬がバテて、追い出しを待つところがありました。それでも我慢して、直線ではよくラチ沿いを抜けてきたと思います。惜しくも2着でしたが、好騎乗でした。

2016年1月26日(火)王者の眼差し賞

優勝馬 キャバーン

斎藤
スタート後は前が競り合うところ、真島騎手のキャバーンは5番手あたりからの追走でした。
竹見
スタートして1番人気の矢野騎手が先頭でしたが、外枠から藤江騎手がゆずらず行く気を見せたので、前は流れが速くなりました。それを見て真島騎手は内に入れました。結果的に、前半5番手集団を追走していた3頭でゴール前接戦となったので、やはりそのあたりの位置取りがペース的にはよかったのでしょう。
斎藤
ゴール前の接戦を制したのが真島騎手でした。
竹見
道中でずっと我慢していたのが真島騎手でした。さらに内を回ってきたことも、最後のわずかな差になったと思います。キャバーンは吉原騎手が乗ったりしてもなかなか勝てなかった馬ですが、今回は真島騎手だから勝ったと思います。