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第53回報知オールスターカップ(SⅢ)の見どころ

第53回報知オールスターカップ(SⅢ)

20170101_3
サラブレッド系4歳上オープン
地方交流 他地区選定馬4頭以内
距離2,100m
負担重量 4歳54kg 5歳以上55kg 牝馬2㎏減
平成28年12月30日までの総収得賞金額、4歳4,000、5歳4,500、6歳以上5,000万円ごとに1㎏加増する。
1着15,000,000円

レース概要

報知オールスターカップは川崎記念のトライアル競走。1着馬に対し、第66回川崎記念(2月1日)および第62回ダイオライト記念(3月15日)への優先出走権が与えられる。

第1回が行われたのは1964年。かつてはファン投票で出走馬が決まるドリームレースとして夏に施行されていたが、2004年から冬季へと移行。同時に地方交流として他地区馬にも開放され、これまで第41回の岩手ウツミジョーダン、第50回は兵庫のオオエライジン、そして昨年の第52回では金沢のグルームアイランドが優勝している。距離もまた、2000m(1~24回)→1600m(25~39回)→2000m(40~42回)→2100m(43回~)と変遷を重ねてきた。

過去10年を見ると、1番人気馬は[5.1.2.2]で勝率50%と圧倒的だが、2番人気馬は[1.0.1.8]、3番人気馬[2.1.2.5]と振るわず上位人気馬に思わぬ落とし穴がある。

川崎コースの2100mはコーナーを6回まわるため前半は淡々としたペースになりがち。特にホームストレッチではペースダウンして折り合いを欠く馬も出てくる。向正面に入るとそこから一気にペースが上がって瞬発力勝負になるが、この時点で好位圏内にいるかがポイント。過去10年の勝ち馬の中で3コーナーで好位圏内にいなかったのは昨年のグルームアイランドだけである。

報知オールスターカップでの優先出走権の付与

1着馬に対し、第66回川崎記念(2月1日)、第62回ダイオライト記念(3月15日)への優先出走権を与える。

報知オールスターカップへの優先出走権

東京スポーツ師走杯競走の1着馬

第53回 報知オールスターカップ 出走予定馬紹介

オメガスカイツリー(川崎・内田勝義厩舎)
中央から移籍後6戦目で報知オールスターカップの前哨戦「東京スポーツ師走杯」を勝ち、優先出走権をゲット。明け9歳での重賞初挑戦になるが地元川崎で5戦3勝と衰え知らず。後方から息の長い末脚を使い重賞戦線でも見劣りはしない。

クラージュドール(船橋・川島正一厩舎)
中央時代はダート中距離を走り5勝。移籍後まだ勝ち星こそないが、埼玉新聞杯では勝ち馬タイムズアローにコンマ3秒差の2着して厩舎ワンツーの立役者になった。レースに集中しないメンタル面の課題はあるが休み明け3戦目で末脚決まる展開なら。

ケイアイレオーネ(大井・佐宗応和厩舎)
中央時代にシリウスS勝ちなど重賞2勝。ジャパンダートダービーでは3着している実績馬。2015年夏に移籍後[2.3.3.3]と重賞戦線で安定した活躍し、昨年は大井記念で優勝。距離にも幅広く対応しどこからでも競馬ができるレース巧者だが、前走の勝島王冠では59キロの重斤も響きいったん先頭に躍り出ながらも最後は交わされて2着。最後気を抜く面を出す課題を見せた。

サミットストーン(船橋・矢野義幸厩舎)
6歳で金沢から転入し浦和記念を勝つなど2014年NARグランプリで年度代表馬に輝いた。明け9歳となり条件は厳しくなっているがJBCクラシックでは積極果敢に先手を主張するなどきっかけを探っている。

ジャングルスマイル(金沢・金田一昌厩舎)
報知オールスターカップへは5度目の出走となる金沢の古豪。過去4回は2012年13着、2014年6着、2015年9着、2016年7着。すでに11歳になるが前走の百万石賞や中日杯を逃げ切るなどスピードは健在。80戦39勝の歴戦の雄。

タイムズアロー(船橋・川島正一厩舎)
前走の埼玉新聞栄冠賞では、好位から力強く抜け出し報知グランプリカップに続く重賞2勝目。ダートグレードのマーキュリーC2着の実績もある。レース後は約2週間の短期放牧に出されリフレッシュ。川崎コースは初めてになるが、ソラを使う気性面の課題を出さずに地力発揮できるか。

ドラゴンエアル (川崎・高月賢一厩舎)
2015年報知オールスターカップ優勝馬が1年8ヶ月の長期休養からついに戦列復帰を果たす。脚部不安を発症し休養と入厩を繰り返してきたが、再起を目指して今夏に総合調教試験に合格。ゆっくり時間をかけて立て直してきた。得意の距離で輝きを取り戻してほしい。

ミッキーヘネシー (高知・別府真司厩舎)
近走はダートグレードなど南関東遠征中心のローテーション。前走は船橋の総の国オープンでひと捲りで豪快な差し切り勝ちを決めた。マイル中心に使われ、中央時代も含め2000m以上の距離はこれまで4回走って3、7、8、10着。距離克服も鍵になりそうだ。

ムサシキングオー (大井・栗田泰昌厩舎)
前走の勝島王冠では直線挟まれる不利もあって3着。7歳になるまで輸送競馬をしたことのなかった大井生え抜き馬だが、昨年の報知オールスターカップで初めて経験し3着と左回りにも対応。準重賞、重賞と地力をつけながらステップを上がって2015勝島王冠で初重賞を制した遅咲き型で、距離、展開問わずこなす器用な脚が武器。

(中川明美)