• レース

第9回川崎マイラーズ(SⅢ)の見どころ

昨年の川崎マイラーズ

サラブレッド系3歳オープン
距離1,600m
1着賞金1,400万円
負担重量 A157kg A255㎏ B1以下53㎏
     牝馬2kg減 3歳馬2kg減
     ただし平成29年5月12日までのダートグレード競走・JRA重賞競走・南関東SⅠ競走1着馬は2kg、南関東SⅡ競走1着馬は1kg加増する。〔2歳時の成績を除く〕

レース概要

南関東全体に古馬の短距離路線が整備された2009年に設けられ、今年で第9回とまだ歴史の浅いレースだが、京成盃グランドマイラーズ、サンタアニタトロフィーへと続く夏の短距離戦線の序章として南関屈指のマイラーたちが集う。
斤量がクラス別であり、さらに「ダートグレード競走・JRA重賞競走・南関東SⅠ競走1着馬は2kg、南関東SⅡ競走1着馬は1kg加増」という定められていることからSⅠSⅡ重賞勝ち馬より、2着3着で善戦してきた馬が恵まれるケースもありそうだ。今年は2013年の東京ダービー馬インサイドザパークが59㎏を背負うに至っている。
過去8回を見てみると1番人気馬が4勝、2番人気馬が2勝と順当な傾向。今年も高年齢馬の出走は多いが、4歳馬1勝、5歳馬2勝、6歳馬5勝と、7歳以上は一度も勝っていない。川崎マイルでこのメンバーとなれば今年も先行争いが激しくなりそうだが、逃げ切り勝ちは2014年のサトノタイガー唯1頭だけである。枠順を見るとまんべんなく勝っているが、4枠、5枠馬の勝ち星はない。

川崎マイラーズへの優先出走権

・東京中日スポーツ弥生杯の1着馬

第9回 川崎マイラーズ 主な出走予定馬紹介

●オウマタイム(牡5歳 船橋・林正人厩舎)
前走の皐月盃では3歳春の京浜盃制覇以来で約2年2ヶ月ぶりの勝利。足踏みをしていた頃と比べても近走は復調ムードが見られ、前走は久々に逃げを打った。川崎コースは2歳時に鎌倉記念を勝っているゲンのいいコースで、うまく先行できるようなら。

●サクラレグナム(牡8歳 大井・福永敏厩舎)
道営2勝で中央入りするとダートで4勝し、1800mでも勝っていることからもマイルは守備範囲。川崎コースは初めてになるが中央勝利はいずれも左回り。久しぶりにコーナー4つを回ることへの対応力次第になりそう。南関東移籍して3戦目のフジノウェーブ記念では3着と重賞戦線に名乗りをあげた。

●ジャルデイーノ (牡8歳 大井・荒山勝徳厩舎)
師走オープンではセイスコーピオンを1馬身退けて勝利した地力馬。川崎コースでは1戦1勝しているが3歳時のもので5年ぶりの遠征となる。夏場に弱いことから時期的にはギリギリ。どんな競馬でもデキるタイプだけに得意のマイルでどう立ち回るか。

●ジャーニーマン(牡4歳 川崎・内田勝義厩舎)
ジャーニーマン
クラシックでは羽田盃3着、東京ダービー5着とあと一歩及ばなかったが、戸塚記念3着後の休養を挟んでパワーアップ。馬体重が示すように馬体がひと回り大きくなっている。休み明けは逃げ、先行で2連勝。精神面での成長も見られ本格化している今なら古馬にもヒケは取らない。

●セイスコーピオン (牡7歳 川崎・八木正喜厩舎)
セイスコーピオン
昨夏に中央4勝の実績で転入し、マイルグランプリ、勝島王冠と重賞2勝。川崎競馬表彰では年度代表馬にも輝いた。年末のレース後、疲れが見られたことからリフレッシュ休養を挟み、今回が復帰緒戦になるが乗り込みは十分。南関転入後は大井中心のローテーションだったが、移籍後初めての左回りも中央時代に経験済みだ。

●タイムズアロー (牡9歳 船橋・川島正一厩舎)
タイムズアロー
正月の報知オールスターCで3着し、2度目の川崎コース。ゲートでスムーズさを欠き、ソラを使う気性面の課題もあるが、埼玉新聞栄冠賞、報知グランプリCと中距離重賞で2勝と実績上位。マイルでの勝ち星はないが、前走のフジノウェーブ記念1400mでも2着に飛び込み、9歳馬とはいえ衰えは見られない。

●トロヴァオ (牡4歳 大井・荒山勝徳厩舎)
2歳で道営から移籍するといきなり緒戦でハイセイコー記念勝ち。クラシックでは羽田盃2着、東京ダービー4着。水沢に遠征したダービーグランプリでは圧勝した実力馬だが、古馬との対戦がはじまると苦戦続き。前走の名古屋大賞典遠征では見せ場もなかった。距離マイルでの復活に期待したい。

●プリンセスバリュー(牝7歳 大井・村上頼章厩舎)
気温の上昇と共に状態を上げているのは明らかで、前走のしらさぎ賞では勝ち馬とはコンマ7秒差はあったものの直線の脚は迫力十分。昨年に続いて2着だった。マイルでは京成盃グランドマイラーズ2着と距離ベストだろう。暑さ増すとさらに調子を上げる傾向にあり、牡馬相手でも軽視はできない。

●リアライズリンクス (牡7歳 浦和・小久保智厩舎)
前走は久しぶりに逃げるかたちとなって3着。近走は後方からのレースも多かったが、連勝していた頃を考えてもやはり馬本来のスピードを生かす競馬が合っているのだろう。1枠1番に入り、通算7000勝に王手のかかった的場騎手の手綱となれば、思い切った騎乗が期待できそうだ。

文/中川明美 
写真/佐々木光・川崎競馬倶楽部