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第67回川崎記念(JpnⅠ)の見どころ

昨年の川崎記念

サラブレッド系4歳上オープン
JRA選定馬(枠6頭)・地方競馬選定馬(枠8頭・他地区は3頭以内)
距離2,100m
負担重量 4歳 56kg 5歳上57kg 牝馬2kg減 (南半球産馬の4歳馬は1kg減)
1着賞金6,000万円

レース概要

川崎記念は、1951年にエゾテツザンが優勝した第1回から数えること今年で67回。川崎競馬場の歴史と共に施行されてきたダート最強馬決定戦。第27回までは開設記念という名称で行われた。南関東限定から指定交流重賞として開かれた1996年にはダート転向で花開いたホクトベガが5馬身圧勝。67回の長い歴史のなかでも牝馬の優勝は5回だけである。
1997年にダートグレード競走が整備されるとGⅠ(JpnⅠ)に格付。以来、ダート界のトップホースたちが目指す一戦となり、ドバイワールドカップの前哨戦という意味合いも帯びてきた。3連覇を果たし昨年引退したホッコータルマエ、2007年、2010年と2回優勝しているヴァーミリアン。タイムパラドックス、カネヒキリ、スマートファルコン、フリオーソ、アジュディミツオーなど歴代の優勝馬たちはダート界の歴史に輝かしくその名を刻んでいる。
第1回の3000mから距離の変遷を重ねてきたが、1999年に2000mから現在の2100mへと延長。これは出走可能頭数を12頭から14頭へと拡大するための策でもあった。
過去10年を見ると、一番人気馬は2013年②着ワンダーアキュート、2017年②着サウンドトゥルー以外はすべて優勝。連対率100%という圧倒的信頼度だ。1番人気・2番人気・3番人気の組み合わせでの決着が6回という堅さである。
JBCクラシック、チャンピオンズC、東京大賞典という一連のダート戦線での流れを見ても展開ひとつで今回出走馬たちの着順が入れ替わっていることから、今年も上位拮抗したせめぎ合いになりそうだ。

川崎記念への優先出走権

・第54回報知オールスターカップの1着馬

第67回 川崎記念 主な出走予定馬紹介

●アウォーディー(牡8歳 JRA・松永幹夫厩舎)
アウォーディー
2016年のJBCクラシック制覇以来の川崎コース。ホッコータルマエとの壮絶な叩き合いはインパクト大。ドバイ遠征後の昨年は帝王賞からJBCクラシックへと出走していずれも一番人気も③着、④着で「左回りの方が集中する」という鞍上のコメントが印象深い。今年もドバイ参戦が視野にあり、その前に得意の条件で弾けてほしい。

●アポロケンタッキー(牡6歳 JRA・山内研二厩舎)
アポロケンタッキー
日本テレビ盃ではサウンドトゥルー、ケイティブレイブとの叩き合いを制して見事優勝。その後はJBCクラシック⑧着、チャンピオンズC出走取消、2016年に次ぐ連覇を狙った東京大賞典ではプラス9キロも響いて伸びきれず④着と足踏み。川崎コースは初めてになるが小回り馬場で器用さを求められるとなると大型馬には不安も残る。

●イッシンドウタイ(牡9歳 川崎・内田勝義厩舎)
イッシンドウタイ
一番人気に推されていた昨年の報知グランプリカップで発走直前に左後肢ハ行のため競走除外となり、その後は休養へ。8ヶ月ぶりに復帰したが道中不利があったりと3戦不振。冬場に調子を上げるタイプではあるがメンバーも大幅強化し展開面でも厳しそう。

●ケイティブレイブ(牡5歳 JRA・目野哲也厩舎)
ケイティブレイブ
兵庫チャンピオンシップ、白山大賞典、浦和記念、名古屋大賞典とスピードを武器に実績を積んできたが、昨年の帝王賞ではまさかの出遅れ。瓢箪から駒となってそれまでにない後方からの競馬で直線外から一気の末脚で強襲し戴冠。その後は逃げにこだわらなくなりレースの幅を広げたが近走はダートグレード競走で惜しいレースが続いている。

●サウンドトゥルー(セン8歳 JRA・高木登厩舎)
サウンドトゥルー
4歳秋の去勢をきっかけに着実に力を蓄えながら階段を昇り、昨年はついにJBCクラシックを制覇。豪快に追い込んでくる切れ脚は魅力的だが展開に左右される面もあり、チャンピオンズカップは⑪着。東京大賞典ではコパノリッキーを捕らえきれずに②着。川崎記念は2年連続②着に泣いているだけにきっちり借りを返したい。

●ディアドムス(牡6歳 大井・森下淳平厩舎)
ディアドムス
中央在籍の2歳時には北海道2歳優駿、全日本2歳優駿と連覇し、ドバイ遠征も経験。その後は精彩を欠いたが、昨夏に南関東に移籍して心機一転。3戦目の勝島王冠では4馬身圧勝、前走の報知オールスターカップでも直線は独走態勢で連勝と完全復活。地方馬として初のダートグレード競走参戦でどこまで迫れるか。

●メイショウスミトモ(牡7歳 JRA・南井克巳厩舎)
2017年は目の覚めるような末脚で金星をあげたシリウスステークスに続いて名古屋グランプリも制覇。2500mで先行策を打ち、スタミナ勝負での強さを見せた。ラジオ日本賞ではケイティブレイブを封じたこともあり軽視はできない。

文/中川明美 
写真/佐々木光・川崎競馬倶楽部