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第17回ローレル賞(SⅢ)の見どころ

第17回ローレル賞(SⅢ)の見どころ

2歳牝馬オープン
距離1,600m
出走可能頭数14頭(他地区3頭以内)
負担重量 54kg

レース概要

ローレル賞は2002年に創設され、当初は3歳春の牝馬クラシックの前哨戦という位置づけだったが、第3回より現行時期に移動して2歳暮れの東京2歳優駿牝馬へのステップとなり、上位3着馬までに優先出走権が与えられるトライアルになった。
2010年からグランダム・ジャパン2歳シーズンの一環に。翌年の2011年からは地方交流戦となって特に北海道から強力な実績馬が遠征してくるようになった。地方馬に開放されてからのここ6回のうち2013年クライリング、2015年モダンウーマン、2016年アップトゥユーと3回は道営馬の勝利。しかも勝ち馬3頭はその後、南関東に移籍してクラシックでも活躍しているのが特徴的。来春をイメージしてレースを眺めるのも一考だろう。
過去10年を見てみると、1番人気馬は[3.2.0.5]と連対5割だが、1番人気、2番人気の組み合わせでの決着になると、第10回のオリークック、マルヒロブライティと、第15回のモダンウーマン、スアデラの2回だけ。まだ心身共に安定していないこの時期の2歳牝馬には番狂わせもつきまとう。
川崎1600mはコーナーまで距離があるぶん枠順に有利不利はそうないが、鬼門とされる3コーナーの急カーブあたりで射程圏内につけているのが勝利の方程式。今年の出走馬にも先行型は多いが、逃げた馬は[3.1.1.5]と案外残っていない。

トライアル競走

・第16回鎌倉記念1~3着の牝馬は優先出走できる。

優先出走権の付与

・1~3着馬に対し、第41回東京2歳優駿牝馬競走(SⅠ)への優先出走権を与える。

第17回 ローレル賞 主な出走予定馬紹介

●カシノランサム(牝2歳 大井・三坂盛雄厩舎)
カシノランサム
デビュー戦は10馬身圧勝。2戦目ではスタートで後手を踏んで4着に負けたが、3戦目では3角先頭に立つ強い競馬で直線7馬身突き放した。その後に休養に出され久々の実戦。初めての距離マイルで一周する競馬に対応できれば。

●グラヴィオーラ(牝2歳 北海道・小野望厩舎)
グラヴィオーラ
ダートグレード競走エーデルワイス賞では掲示板を道営馬が独占する層の厚さのなか、早め動いて勝ち馬に1馬身差の2着。ストロングハートに2戦屈してはいるが、4コーナーでモタつく場面があっての結果。上がりの速さからも距離マイルを舞台に逆転を狙う。

●ゴールドパテック(牝2歳 川崎・岩本洋厩舎)
ゴールドパテック
5月に川崎の新馬戦勝ち馬第1号になって以来5戦3勝。デビューから2戦は逃げ切りを決めたが、3戦目からはゲート出が今ひとつで後手を踏んでいるのが課題。それでも若武者賞では男馬相手に末脚勝負で差し切り、鎌倉記念では後方からの競馬になったが直線だけの競馬で3着まで詰めて進境を見せた。

●シェーンリート(牝2歳 浦和・小久保智厩舎)
シェーンリート
6戦3勝、2着1回というキャリア。鎌倉記念では牝馬ながら一番人気に推されていたが道中物見をしてレースにならず10着に大敗。間隔をあけず臨んだ平和賞では3着だったがまだ集中し切れていない様子。さらに間隔を取らず参戦してきたことを考えると陣営が納得していない期待度の高さを感じる。

●ストロングハート (牝2歳 北海道・角川秀樹厩舎)
ストロングハート
昨年の勝ち馬アップトゥユーの全妹で、2015年の勝ち馬モダンウーマンとも同じサウスヴィグラス×スマートボーイという垂涎の血統。前走のダートグレード競走エーデルワイス賞では力で押し切って快勝と、実績でも一枚抜けている印象だ。角川秀樹厩舎、グランド牧場所有馬の3連覇なるか。

●ハタノサンドリヨン (牝2歳 浦和・小澤宏次厩舎)
ハタノサンドリヨン
道営で3戦したのち浦和に移籍して3戦2勝。すんなり先行できるのがベストではあるが、距離延びてからいっそう力強いレース運び。前残りのケースもあり軽視はできない。

●ピースフルジョイ(牝2歳 川崎・河津裕昭厩舎)
ピースフルジョイ
デビューから2連勝。キャリアこそ浅いが、素質馬として前評判の高かった馬で、逃げて良し差し手良しと自在性抜群。前走では距離延びる先々を考えてあえて砂をかぶる競馬を経験させたが怯むどころか並ぶまもなく交わしてメンタル面の強さをアピールするレース内容だった。

●ベニアカリ (牝2歳 浦和・酒井一則厩舎)
ベニアカリ
若武者賞で逃げて2着に我慢したように、スピードだけでなく粘り強い脚を使えるのが魅力。仕掛けどころが鍵になるが距離延びてからも渋太い面を見せている。

●ポッドジゼル (牝2歳 川崎・八木正喜厩舎)
ポッドジゼル
デビューから3戦2勝。鎌倉記念では出遅れ気味のスタートで、3、4コーナーにかけて窮屈になる不利があり、これまでにない厳しいレース。それでも直線伸びて4着。勝負根性は相当なものだ。まだ走りに力みもあるが素質は高い。

●ボーダレスガール (牝2歳 北海道・田中淳司厩舎)
ボーダレスガール
前走のエーデルワイス賞では道中接触するシーンがあり、モマれる競馬に嫌気がさしたのか15着という結果。スピード型の姉スアデラとは違ったタイプのようだが、直線勝負で巻き返しを図る。

文/中川明美
写真/佐々木光・川崎競馬倶楽部