重賞レース

第2回川崎スパーキングスプリント(SIII)

2022年6月14日

レースガイド RACE GUIDE

南関東SIII重賞へと昇格した2021年は、A1級の牡馬で負担重量57kgのカプリフレイバー(船橋)が勝利し、2、3着馬の重量は55kg。51~53kgの軽量馬の活躍が目立った20年以前のオープン特別戦時代より、速い時計での決着となっており、今年もハイレベルなスピードバトルが期待できそうだ。【1着、2着馬に習志野きらっとスプリントへの優先出走権を付与】

コースガイド

2100mと同じく発走は2コーナーの出口だが、3~4コーナーをまわるだけでゴール。いかにスピードを落とさず直線に入ることができるかが重要で、オープンでは51秒台の速いタイムでの決着となることもあります。

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スーパースプリントシリーズの頂点に向け、ここから羽ばたくのは重賞既出走組か新星か

※データは昨年の第1回と、重賞昇格前オープン特別として行われていた9年分(2012~2020年)を対象。

1番人気を信頼して順当決着と考えるか、波乱を狙うか

単勝1番人気が7勝(2、3着は無し)その時は2着にも2~5番人気馬を連れてきており順当な決着となる事が多い。2、3番人気は5頭ずつ馬券に絡んでいるが、1~3番人気で決まったのは2021年と2014年の2回のみで、相手選びがポイントとなる。1番人気が飛んだ3回は、2020年が8→6→9番人気で三連単196,360円、2018年が2→3→10番人気で三連単27,830円、2012年が5→6→10番人気で三連単743,840円と6番人気以下の馬が6頭と一気に台頭してくる。

【単勝人気別成績】(過去10回、2013年は1着同着)

  1着 2着 3着 着外
1番人気 7 0 0 3
2番人気 1 1 3 5
3番人気 1 4 0 5
4番人気 0 1 1 8
5番人気 1 1 1 8
6番人気以下 1 2 5 51

軸は船橋所属馬から、波乱を狙うなら大井所属馬

船橋所属馬が7勝2着2回3着2回で複勝率48%、出走のなかった2020年を除く9年中8年で連に絡んでおり軸馬選びはここから。大井所属馬で馬券に絡んだ6頭は2・3・6・6・8・10番人気で波乱を期待するなら大井所属馬からと考えるのもありか。川崎所属馬は10頭が馬券に絡んでいるものの、2勝したラディヴィナを含め8頭は斤量53キロ以下だった。重賞に格上げされ、牡馬ならB1級以下、牝馬ならA2級以下でないと55~57キロとなるため馬の実力を見極める必要がありそうだ。浦和所属馬は1勝3着2回で全て小久保智厩舎だが近8年に絞ると7頭立てだった2019年の3着のみで、それ以外の小久保智厩舎12頭ですら馬券圏内を外している(他厩舎の5頭は全て着外)

【所属別成績】(過去10回、2013年は1着同着)

  1着 2着 3着 着外
大井 1 3 2 12
船橋 7 2 2 12
浦和 1 0 2 18
川崎 2 4 4 38

4~6歳馬が断然、牝馬にも注目

4歳馬が出走14頭で4勝2着1回3着2回で複勝率50%であるが、重賞格上げ前の2020年までは4歳馬1キロ減の恩恵もあったので考慮漏れには注意したい。6歳馬は複勝率41%、5歳馬が複勝率27%で近8年に絞れば24頭中23頭が4~6歳馬。唯一11歳で3着に食い込んだのは2015年のコアレスピューマのみ。また牝馬は5勝2着3回3着4回で、こちらも近8年に絞れば毎年馬券に絡んでいる。

【馬齢別成績】(過去10回、2013年は1着同着)

  1着 2着 3着 着外
3歳 0 0 0 1
4歳 4 1 2 7
5歳 2 2 2 16
6歳 3 5 3 16
7歳 1 1 1 14
8歳以上 1 0 2 26
牝馬 5 3 4 17

真ん中より内の枠が有利

1ターンの電撃戦ゆえに枠順も重要なファクターとなる。2枠3枠がそれぞれ50%が馬券に絡み、続いて4枠5枠が約40%。一方で7枠は3勝3着2回だが、6枠・8枠(馬券に絡んだのは3頭のみ)の結果を考えると信頼は置きにくい。1枠で馬券に絡んだのは、こちらも2015年のコアレスピューマのみ。

【枠順別成績】(過去10回、2013年は1着同着)

  1着 2着 3着 着外
1枠 0 0 1 9
2枠 1 3 1 5
3枠 2 2 1 5
4枠 2 0 2 6
5枠 3 1 3 10
6枠 0 1 0 16
7枠 3 0 2 13
8枠 0 2 0 16

近2走で重賞に参戦していた馬が巻き返す

前走か前々走で1,400m以下の重賞競走に出走していた馬が3勝2着4回3着4回。2桁着順からの巻き返しも見られる。また前走で船橋:閃光スプリントに出走していた馬が4勝2着2回3着1回と好相性。それ以外では前走で同じ舞台の川崎900m戦に出走していた馬が1勝2着1回3着4回と続く。川崎コース経験の有無は問わないが、ここ5年は休み明け叩き2戦目の馬が毎年1~2頭馬券に絡んでおり、春のスプリント路線を狙ったローテーションの馬も探してみたい。

ライター:友好春

キモンルビー

ファントムバレット

コウギョウブライト

エンテレケイア

ナガタブラック

川崎スパーキングスプリントチャレンジ(2022年5月19日)

コパノフィーリング

船橋記念(2022年1月13日)


プロフィール_2

第2回川崎スパーキングスプリント(SⅢ)

注目馬情報

■キモンルビー(牝5歳 船橋・川島正一厩舎)

写真:真鍋元

先行勢は強力だが、船橋記念であっさり先手を取ったように絶対的スピードの持ち主。昨年2月に高知から転入した時はC2格付だったが、わずか1年でオープンまで駆け上がった。船橋記念で初重賞制覇した後も安定した走りを続けており、南関東では連対100%と底を見せていない。前走はファントムバレットに敗れはしたが、枠順の差もあり、スタートで躓く不利もあった。それでも2番手に付けられるのだからダッシュ力は相当なものがある。すんなり主導権を取りきればそう簡単には止まらない。勝って来月のスーパースプリントシリーズのファイナルに向かいたい。

「前回は格下相手で負け方がよくなかった。スタートで躓いたとしても重賞を勝っている馬としては押し切ってほしかった。リズムを保てなかったね。距離は1000、1200mがベストな馬だから900mでどこまでやれるか。神経質な牝馬なのでなんとか立ち直ってほしい。レースは上手だけど、そこに行くまでが神経質だから、返し馬とかなるべく丁寧にしようと思う。まずはスタートを決めたい」と御神本訓史騎手。

■ファントムバレット(牡7歳 船橋・伊藤滋規厩舎)

写真:真鍋元

前走のトライアル戦では先行争いを制して逃げを図り、キモンルビーを1馬身半封じてひとり旅。川崎900mは3連勝と勢いづき、これで6勝目となるベスト条件。B1格付からの挑戦とあって斤量は53キロの軽量は恵まれた印象だ。デビュー以来、1200m以下で27戦して、馬券圏内外になったのは3回だけという安定感抜群の走り。逃げ差し自在に立ち回れるのはアドバンテージ。

「53キロで走れるからね。チャンスある馬だと思うから減量してでも乗りたい。スピードもあるし川崎の900mがピッタリという馬。1000mだとゴール前で甘くなり、1200mだと長い。展開面でもどんな競馬でもできるのは強味だね」と矢野貴之騎手。

■コパノフィーリング(牝5歳 船橋・新井清重厩舎)

写真:真鍋元

中央から船橋に移籍してちょうど1年になるが、緒戦の閃光スプリントでは+19キロながら鮮やかに差し切った。続く習志野きらっとスプリントはスーパースプリントシリーズのファイナルだが、そこではスタートダッシュというより二の脚の速さでハナを取り切ると好タイムで勝利。昨秋には園田の兵庫ゴールドCで①着、笠松グランプリで②着と遠征競馬でタフに活躍。先行して押し切りを図る強い競馬を見せた。ところが前走の船橋記念では道中追い通しの厳しい展開。③着まで追い上げたのは底力だろうか。今回は5か月ぶりの実戦だが、重目感も見られずシャープな動きを見せた。初めての川崎900mでどんな走りをするのか見モノ。

「昨年の習志野きらっとスプリントは強かったですよね。遠征競馬で距離を延ばすと、そのあとの1000mは今までのダッシュが見られなかった。そういうこともあるんですね。今後は短距離中心に使うことになるんでしょうが、力的には十分チャンスはあると思います」と森泰斗騎手。

■コウギョウブライト(セン7歳 川崎・林隆之厩舎)

写真:真鍋元

6歳になって中央から転入。ダートの短距離を中心に使われていた。川崎に来てからは900m、1000mを走り、川崎900m戦では高津オープンをはじめ3勝を挙げる適性を見せている。船橋のカムイユカラスプリントでキモンルビーとアタマ差の勝負をしていることからも力量差はそうない。

「戦ってきたメンバーや着差を見てもそう差はないと思うよ。今回は良い枠にも入ったし、ノーチャンスではないはず。900mに対応できるスピードがあるし、並んでからが勝負強い。抜け出すとソラを使う面があるから、先に行く馬をターゲットにして追いかけるような競馬が理想だね」と林隆之調教師。

■エンテレケイア(牡4歳 浦和・小久保智厩舎)

写真:真鍋元

3歳の春に中央から移籍すると、若潮スプリント5着に続いて優駿スプリントでは4着。外2番手でもまれない競馬ができたたことで見せ場をつくることができた。砂を嫌がったり、揉まれると良くない課題はあるものの、初めて川崎900mを走った際のタイムは出色で勝利。その後の川崎900m戦では②着、③着と適性を見せている。スムーズに運べれば好走必至。

「乗り込んでいるし、状態面は前走より良いくらい。あと一歩勝てずにいるが適性の高い舞台で本領発揮したい」と小久保智調教師。

■ナガタブラック(牡6歳 川崎・岩本洋厩舎)

写真:真鍋元

3歳の優駿スプリントで直線切れ脚を炸裂させたインパクトが大きいが、それまでの先行から差す競馬を覚えて世代スプリントの頂点に立ったはいいが、その後は善戦止まりで歯がゆいばかりだ。
川崎900mは距離が短いわりに差しも利くことから、まずはスタートを五分に切り、後方になりすぎない位置で末脚生かしてほしい。爆発力を期待する。

「ゲートはいくらかずつ良くなっている。あまり遅れなくなってきたね。いつも軽い時計しか出さずに仕上がってくるタイプで、そのぶん状態面は3歳時からそう変わらず維持している感じ。今回もまずはゲートをうまく出て、少しでも前で競馬ができると良いね」と岩本洋調教師。

プロフィール_2

写真:真鍋元

昨年より重賞に昇格し、舞台はワンターンの超電撃900m。7月26日に船橋で行われる地方競馬スーパースプリントシリーズのファイナルとなる習志野きらっとスプリントへの優先出走権(1、2着)を懸け、11頭の韋駄天が集まった。

注目の先行争いは、内からコパノフィーリング、キモンルビー、ファントムバレットが横一線。すぐにプリモジョーカーも加わり、イン3番手まで取り付いた。3コーナーからコパノフィーリングが2馬身ほど離すかたちで抜けだし逃げ切りを図るが、キモンルビーも食らいつき、さらに中団からコウギョウブライト、ダンディーヴォーグが猛追。
ゴール前は混戦模様になったが、最後はコパノフィーリングが半馬身凌いで優勝!

2着はコウギョウブライト、3着はキモンルビーで確定。
コパノフィーリングとコウギョウブライトがシリーズファイナルへの優先出走権を獲得した。

勝ちタイムは53秒4(雨・稍重)。

写真:小川慎介

1着 コパノフィーリング

5ヶ月ぶりの実戦。内枠の利もあったが、鞍上の積極的な騎乗で主導権を取りきった。最後は後続に迫られもしたが、久々でも力の違いを見せ、初コース、初距離に対応。遠征で距離を延ばしていたが、今後は短距離中心に使っていくことになるのだろう。

<新井清重調教師>
放牧に出していた牧場に何度も見に行って状態を確認していましたので、今日も良い結果を出してくれるのではないかと思っていました。中央の時からゲートの不安のあった馬で今日もうるさかったですね。内枠だったのでハナに行けましたが、あとは押し切ってほしいと思ってみてました。休み明けのぶんはありますが、森騎手なので何とかしてくれるだろうと。(使うかは)馬の状態を見てからですが、習志野きらっとスプリントではディフェンディングチャンピオンとして良いレースをしてほしいですね。




 

<森泰斗騎手>
船橋記念以来のレースですが、最終追い切りに騎乗した時点で問題ないと思っていました。ゲートでの駐立が悪くて不安がある馬なんですが今日は出せました。内枠だったんで強引に主張して、900mにしてもちょっと速かったかな思うところもあります。そのぶん詰め寄られたのかな。すごく前向きな馬なので良く踏ん張ってくれました。牝馬でもありますし、これから夏場に向けて状態を上げていくでしょうから、テンションを上げすぎないように調整にたずさわって次も良い結果を出したいですね。これからの短距離路線でも活躍してくれると思います。




 

2着 コウギョウブライト

終始追い通しではあったが、直線の伸びは素晴らしかった。得意としている距離で、内枠や53キロの軽量も味方にした。

<池谷匠翔騎手>
前走は展開の不利もありましたが、今日の感じからも使いながら状態が良くなっています。チャンスがあると思っていました。スタートも良くていいポジションが取れ、枠が内の方が良い結果につながりますね。今日も控えてジッとしていて直線伸ばすイメージ。気が抜けるところがあるので近くに馬がいた方が力を発揮しやすい。

3着 キモンルビー

ダッシュ良く、ラクに2番手につけ必勝態勢かと思われたが、逃げたコパノフィーリングも止まらず、最後は格下馬にも差された。これは斤量差もあったと思われる。

<御神本訓史騎手>
前走はスタートがすべてだったけど、今日はスタートも決まった。だいぶ900mも慣れてきているし、2番手からでもレースができると思った。いい頃の馬体に戻ってきていたから最後差されたのは悔しい。今日も+5キロで気持ちが切れないようにしていければ次の1000mでもいい走りをしてくれるはず。それにしてもコパノフィーリングは自分のスタイルで競馬をすると強いね。

4着 ダンディーヴォーグ

昨年は逃げて2着も今年はスタート後手を踏んで中団から。レース最速の上がりで、特にゴール前の切れ脚は強烈だった。

<中越琉世騎手>
乗ってる方もびっくりな脚を使ってくれました。出遅れてしまったので腹をくくってラチ沿いを走り、スピードがのっているうちに行こうと思ってハミを掛けて外に出したらあの脚を使ってくれました。

5着 ファントムバレット

スタートも良く、無理なく好位を追走したが直線伸びきれず。川崎900mは得意中の得意であり、斤量も前走より2キロ軽い53キロも意外な結果に終わった。

<矢野貴之騎手>
2キロ軽いからハナに行けると思ったんですけど前に行った2頭が速かった。以前より歩様も良いんで、調子は良さそうでしたが。

6着 プリモジョーカー

最内枠からロスのない立ち回り。3~4コーナーでもうまく息が入ったが、直線半ばから伸びを欠いた。

<町田直希騎手>
相手は上でもいい枠引けましたし、もっと結果を出せるかと思ったんですが最後は失速しちゃいましたね。いい感じで4コーナーまできたんですけど。上のクラスはスピードが違いますね。最後のもうひと踏ん張りも必要です。

7着 ナガタブラック

課題のスタートも決まり、最近にしてはマズマズだが、まだ良い頃の闘志ある走りではない。

<伊藤裕人騎手>
2開催くらい前から落ち着いてきて、ゲートでハミを掛けなくてもよくなった。今日もどれくらい出るかと思ったら五分に出たし、身体的にも戻ってきた。また切れを見せてくれるようになると思う。

8着 マッドシェリー

人馬共に重賞初挑戦。一気に相手関係が強化し、大外枠も響き、いつものような先行策は取れなかった。

<神尾香澄騎手>
スタート決まったんですが、周りが速くて前で競馬することができなかった。馬は一生懸命走ってくれました。

11着 エンテレケイア

レース最速の持ち時計もあり、しんがり負けするような馬ではないが、自分のリズムで走れないと案外モロいということか。

<左海誠二騎手>
上がりスクんでいた。初めて乗ったが、最後は内外から怯んだ部分もあったし本来の走りではなかったように思う。返し馬は良い雰囲気だったんだけどね。揉まれると弱いし、もう少し距離があってもいい。

回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
1 令和3年 カプリフレイバー 牡4 真島 大輔