重賞レース

第17回 スパーキングサマーカップ(SIII)

  • 2020年9月2日 20:15発走
スパーキングサマーカップ

レースガイドRACE GUIDE

3歳以上による地方全国交流重賞。2009年にはマルヨフェニックス(笠松)が勝利するなど、かつては他地区勢の食い込みもあったが、近年馬券絡みはない。過去16回で、18年ウェイトアンドシー(浦和)、19年トキノパイレーツ(川崎)をはじめ9頭がこのレースで重賞初制覇を飾っており、新星登場が期待できる。【1着馬に日本テレビ盃の優先出走権を付与】

コースガイドCOURSE GUIDE

4コーナーのポケットから発走し最初のコーナーまで500mあり、さほどハイペースにはなりません。差し馬にとってはカーブがきつい3コーナーでうまく立ち回ることが求められます。

1600m
  • 分析レポート
  • 重賞直前情報
  • レースレポート
  • 歴代優勝馬

大井の活躍目立つマイル重賞

※データは過去10回分(10~19年)を対象にした。

■人気薄にも注意

単勝1番人気が3勝、2着3回、3着1回で、7頭が3着以内とまずまず。しかし上位人気3頭で決着したのは18年のみ。5番人気が5頭、6番以下も9頭馬券に絡んでおり伏兵の台頭には警戒したい。

【単勝人気別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
1番人気 3 3 1 3
2番人気 3 0 1 6
3番人気 1 1 1 7
4番人気 1 0 1 8
5番人気 0 1 4 5
6番人気以下 2 5 2 66

■近年は大井・浦和が躍進

傾向が変わったのが14年。10~13年で3着以内馬12頭中11頭を占めていた船橋だが、その後の馬券絡みは3着1回のみ。近6年では、大井が1、2、3着各3回、浦和が14年のワンツーを含め2勝、2着2回、3着1回と躍進している。川崎は昨年、06年以来の勝利を収めた。

【所属別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
船橋 4 3 5 21
大井 3 3 3 12
浦和 2 3 1 15
川崎 1 1 1 27
地方他地区 0 0 0 20

■7歳が好成績

出走数は多いこともあるが7歳が4勝、2着4回、3着2回の好成績で、11、17年はワンツーを決めている。次いで勝ち星が多いのが3勝の6歳で、2勝の4歳、1勝の5歳だが、複勝率でもこの順番になる。

【年齢別成績】(過去10回)

1着 2着 3着 着外
3歳 0 0 0 2
4歳 2 0 1 6
5歳 1 2 1 15
6歳 3 3 2 21
7歳 4 4 2 23
8歳以上 0 1 4 28

■サンタアニタT組と南関東重賞2~3着馬

前走サンタアニタトロフィー(大井1600m)の馬が好相性だが、過去5年ではそれが顕著。3着以内馬15頭のうち6頭が同レース組で、上位着順でなくても、勝ち馬と2秒差未満ならチャンスがある。
同じく過去5回では、前走がサンタアニタトロフィー以外の南関東の重賞で2~3着だった5頭すべてが3着以内の好成績。なお前走重賞1着馬は2頭とも4着以下に敗れていることには注意したい。16年1着の牝馬ブルーチッパー(大井)は、前走スパーキングレディーカップJpnIII・2着だった。
またトライアルのスパーキングサマーチャレンジ組は、10、11年と3着以内に入って以来不振だったが、昨年、トキノパイレーツ(川崎)がそれ以来久々に馬券絡みを果たし優勝した。

ライター: 栗田勇人

 

プロフィール_2

第17回スパーキングサマーカップ(SIII)

※取材は、当初予定されていた8月26日以前に行ったもので、コメント等は当初騎乗予定だった騎手のコメントもそのまま掲載しています。また出馬再投票によってリンゾウチャネルは回避となりました。

注目馬情報

■トロヴァオ (牡7歳 大井・荒山勝徳厩舎)

写真:小金井邦祥

2月のフジノウェーブ記念では内枠を生かした先行策で押し切り、ダービーグランプリ以来の重賞3勝目。藤田凌騎手が騎乗し、荒山勝徳調教師との師弟コンビでは初めての重賞勝ちとなった。
その後、歯の治療で骨に6カ所ほど穴を開ける手術を施され、5カ月ぶりに戦列復帰したのが前走のマイルグランプリ。終始外を回る競馬になったが4着に食い下がっていた。

「帰厩して急ピッチでの仕上げだったことを考えるとよく走っていると思う。力がありますね。前半力み過ぎていたし、僕が外に出すのも早かった。今回は中間追いから迫力ある動きで前走以上」と藤田凌騎手。

勝ち切れてはいないが、2着3回と川崎コースのマイル重賞で好走が目立つ。急仕上げで七分程度だった前走でのレース内容を考えれば、状態アップの今回は楽しみの方が大きい。

■トキノパイレーツ (牡5歳 川崎・八木正喜厩舎)

写真:真鍋元

昨年の優勝馬。
中央での走りから入厩当初から大きな期待をかけられながらもゲートやササリ癖の課題があって、陣営が試行錯誤で矯正に取り組み、4度目の重賞挑戦でついに手にした初タイトルだった。

「ゲートの課題はもうないんですが、最後の最後止まってしまい、ゴール前交わしきれない。前回まではオープン特別で人気を背負っているぶん自分から動かなければならなかったというのもあると思う。今回は相手も強く挑戦する立場。じっくりためていく競馬をしても良いと思う」と加藤和博騎手。

タイトルホースになったものの、その後は2着、3着はあってもあと一歩勝てないレース続きなのが悩みの種だ。加藤騎手が言うようにこれまでと違った立ち回りができれば、馬体の充実ぶりからも連覇があってもおかしくない。

■グレンツェント (牡7歳 大井・藤田輝信厩舎)

写真:真鍋元

中央時代はダートのオープンを走り、東海ステークスGIIなどを優勝。2018年川崎記念JpnIでは4着(森泰斗騎手)している。昨秋に大井へ移籍し、5戦目の川崎マイラーズでは8番人気ながら直線で馬群を突き抜けてきた伸び脚は見事。我慢の利く競馬できっかけを掴んだ。その後は京成盃グランドマイラーズ3着、前走のマイルグランプリでは早めに先頭に立って2着。

「惜しい競馬が続いている。前走も勝ちにいったぶんの負けだったと思う。暑さの中でも馬は元気一杯だし、川崎のマイルでは重賞を勝っていて力を発揮できる条件。移籍してからようやく噛み合ったレースで強い勝ち方だった。充実している現状ではマイルが合っている感じ」と藤田輝信調教師。

テンにいきたがることもなくなり、じっくり折り合いをつけて後方からチャンスをうかがう競馬で弾ける脚を発揮する。

■ハルディネロ (牡4歳 大井・荒山勝徳厩舎)

写真:真鍋元

デビューから2連勝し全日本2歳優駿JpnIにも出走したように早くから頭角を現したが、6~7歳にかけ5連勝で金盃を制した兄のジャルディーノ同様に勝ちきれない時期を経て4歳になって覚醒。スパーキングサマーカップトライアルの準重賞スパーキングサマーチャレンジを勝って、もっか3連勝。

「この兄弟は年を重ねてから良くなっていく傾向があるね。川崎を使う前は1400m戦をメインに使っていたが、このトライアルでマイルを試してみたら強い勝ち方をしてくれた。久しぶりの左回りで物見をしていてフワフワしていたようだから、競り合うかたちになったのがむしろよかったのかもしれないね。今回はメンバーも強くなって試金石になる一戦だが、兄たちのようにここからさらに強くなってほしい」と荒山勝徳調教師。

トライアルではブラックジョーに早めに並びかけられる競馬になったが、それでも最後は6馬身突き放して圧勝。このまま上昇機運に乗りたい。

■リンゾウチャネル (牡4歳 船橋・矢野義幸厩舎)

※出馬再投票によってリンゾウチャネルは回避となりました。


写真:真鍋元

先行力を強みにして北斗盃、北海優駿、王冠賞と昨年の道営三冠を独り占めした。その後も園田に遠征した楠賞を制して7連勝で南関東入り。
実力を備えながらも噛み合わないレースが続いていたが、チークピーシーズを着用してからは反応が変わり、前走の中原オープンでは絶妙な逃げで2馬身差をつけ、南関東移籍後5戦目にして初勝利をあげた。

「本馬場で追う予定がカラ馬の影響で急きょ内馬場で追うことになるアクシデントはあったが、しっかり追えたし仕上がりは満足いくもの。前走の勝ちっぷりが良かったから、今回も気分良く行けるようならいいね」と矢野義幸調教師。

マイル適性もあり、前走に続く川崎コース。
ようやくリズムを掴んだとなれば道営三冠馬の本領発揮といきたい。

■リッカルド (セン9歳 船橋・佐藤裕太厩舎)

写真:真鍋元

9歳の古豪だが、中央では札幌・エルムステークスGIIIを制し、7歳で船橋に移籍すると報知グランプリカップ、フジノウェーブ記念、ブリリアントカップ、大井記念と重賞4連勝。しかしその夏の札幌遠征からリズムを崩して休養を挟みながら立て直しが図られた。
川崎マイラーズでは初めての川崎コースだったがなんなく対応し一旦は先頭に立つも2着だった。

「休み明けを3戦して、7着だった2戦目の敗因はわからないがそのあとのマイルグランプリでは反応が戻って持ち直していた。前に比べたら展開的な助けなども必要なのかもしれないが、川崎のマイルは条件が合うので期待している」と矢野貴之騎手。

年齢的な衰えは仕方ないことだとしても、距離も幅広く対応し位置取りにこだわらないレース巧者だけに侮れない。

■ヒカリオーソ (牡4歳 川崎・岩本洋厩舎)

写真:真鍋元

地元生え抜き馬で、2歳で平和賞、3歳で雲取賞、東京ダービーを制して世代の頂点に立った。ひと夏を越した戸塚記念でも優勝して重賞4勝を挙げる活躍をしたが、一方で京浜盃では鼻出血を発症するアクシデントで、東京ダービーには調教試験を受けて仕切り直してからの出走になった経緯もある。
古馬になってからも川崎記念JpnIで2着するなど地力を見せたが、ブリリアントカップで再び鼻出血による競走中止。そこから立ち直れずにいる。

「前走は引っ掛かる展開になった結果。気の良い馬だからね。3コーナーではフワッとしてしまってそこから伸びていこうとしなかった。地元コースでもあるし好走を期待したいところだが、状態も気合い乗りも良いときに比べると今ひとつなのが気になるね」と岩本洋調教師。

勝ったときの大物感ある走りはインパクトが大きく、完全復活の日が待ち遠しい。

プロフィール_2


写真:真鍋元

新型コロナウイルスの影響による取り止めから代替開催へと1週間スライドしての実施となった第17回スパーキングサマーカップ(SIII)。真夏のマイル地方全国交流戦で愛知から1頭参戦した。

1週間ずれたことで馬の調整もしづらい中、当初の8月26日実施分から再出走投票されて、枠順も変わり、騎手変更も続出して13頭中11名が初コンビという異例のなか行われた。

バラバラとしたスタートから何が先手に行くのか譲り合うようなかたちからハナに立ったのはハルディネロ。差がなくヒカリオーソ、ブラックジョーの3頭が先頭グループ。少し離れてトキノパイレーツ、トロヴァオと続く。
よどみのない流れのなか、3コーナー手前からリッカルドが動くと後続も徐々に差を詰め、直線入口では団子状態。
直線、先に抜け出したリッカルドを、大外から豪快に伸びたグレンツェントがゴール前差しきった。

1番人気に応えたグレンツェントは南関東移籍後2つ目の重賞制覇となり、日本テレビ盃JpnII(船橋・9月30日)への優先出走権が与えられた。


写真:真鍋元

■1着 グレンツェント

道中は中団のインでじっと我慢。勝負どころでペースが上がると仕掛けをひと完歩遅らせ、4コーナーでは大外まで出した。レース最速の上がりを叩き出す力強い伸び脚で、5月の川崎マイラーズに続く重賞制覇となった。
この馬に初めて乗ったとは思えない伊藤裕人騎手の冷静な判断が功を奏して、惜敗が続いたグレンツェントの地力を引き出した。

<藤田輝信調教師>
代打で伊藤騎手が上手く乗ってくれて感動しました。
暑さもあって調整しづらい面もあったんですが、地力で勝ってくれましたね。道中は思ったより後ろにいたのでハラハラもしましたが、人気馬を見ながら伊藤騎手が落ち着いて乗ってくれていて感謝しています。
このあとは南部杯に行くか、サンタアニタトロフィーを予定しています。馬の状態を見ながら決めたいと思います。

 

<伊藤裕人騎手>
うれしい気持ちですが、まずはホッとしましたね。
直線で2頭交わした時に勝利を確信しました。
おとなしくて乗りやすくて、力がある馬だと返し馬で感じました。もう1、2列前で競馬をしたかったんですが、前に有力どころがいたのでそれを目安に乗りました。内でためていれば最後は切れると聞いていたので動かず、馬がハミを取ったところで行こうと馬の力を信じて乗った。58キロも苦にしていませんでしたね。

■2着 リッカルド

川崎マイラーズに続き、グレンツェントの2着と悔しい結果に。
中団からじわじわと進出して、いったんは先頭に立ったが、最後は差されてしまった。
全盛期の勢いこそ薄れるも、9歳という年齢を感じさせない走りで存在感を示した。

<笠野雄大騎手>
リッカルドらしい競馬ができればと考えて乗りました。そういう競馬ができたと思います。内枠のぶん少し包まれましたが、流れが遅かったから動いて、4コーナーでは勝ったと思ったけれど、最後はちょっとだけ甘かったですね。
この歳にしてやっぱり力のある馬だと思いますし、良い経験をさせていただきました。

■3着 トロヴァオ

行きたい馬には行かせ、射程圏内での位置取りも、直線は決め手を欠いた。川崎マイルでは安定した走りを見せるも2着3回、3着1回とあと一歩のところで勝ちきれてはいない。
手術明けを2度叩かれて、今度こそと期待したい。

<町田直希騎手>
初めて騎乗したんですが、最初のゴール板くらいまでずっとハミを噛んでいました。 そのぶん最後が伸びきれなかったんだと思います。すごく乗りやすくて、外に出せば伸びると聞いていたのでそれを意識して乗りました。

■4着 ハルディネロ

けっしてラクな逃げではなかったが、最後まで粘り強い走りで入着を果たした。キャリアを重ねてから活躍した兄弟たち同様に、先行力に磨きがかかり、確実に力をつけているのがわかる。

<臼井健太郎騎手>
こんな事態で急遽チャンスをもらい初めて乗った馬。スタートが良かったので、行く馬がいれば番手でと思ったのですが、誰もいなかったので、僕が積極的にハナを叩いて、自分でペースをつくる感じでした。 他の馬もオープンで走ってきた馬たちで、やはり相手も強かったですけど、あの着差だったので、悔しいです。

■5着 トキノパイレーツ

ゲートの課題もなくなり好スタート。無理なく内側のいい位置でレースを運べたが、直線では思ったほど弾けず、昨年に続く連覇はならなかった。

<櫻井光輔騎手>
スタートも出てくれて、いい位置が取れたので、内でじっと我慢して直線が開いたところで勝負しようと思っていました。 手ごたえは良かったですが、しっかりと前があかなかったからか、少し馬が渋ってしまいましたね。よく頑張ってくれたんですか。

■6着 ヒカリオーソ

2番手を追走も、直線で伸びを欠く。
力的には通用する相手関係だけに、まだ本調子に戻りきっていないのではないのだろうか。

<阪上忠匡騎手>
ハナに行くつもりで行って、他が行くようなら抑えてと指示通りに乗りました。直線の反応が今ひとつだったので完調手前だったのかもしれません。良い馬なので本調子に戻ればもっと走るはずです。

■7着 ブラックジョー

着順ほど負けてはいないが、走りに力みがあり、折り合い面の課題が残った。

<藤江渉騎手>
掛かってしまわないようにと内に入れたんですが、案の定掛かってしまった。もう少しフワッと行ければいいんでしょうけど。単騎ですんなりだったら違うのかもしれません。

回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
16 令和元年 トキノパイレーツ 牡4 町田 直希
15 平成30年 ウェイトアンドシー セ7 今野 忠成
14 平成29年 ケイアイレオーネ 牡7 的場 文男
13 平成28年 ブルーチッパー 牝6 森 泰斗
12 平成27年 ブルーチッパー 牝5 真島 大輔
11 平成26年 トーセンアレス 牡7 張田 京
10 平成25年 トーセンアドミラル 牡6 川島 正太郎
9 平成24年 クラーベセクレタ 牝4 戸崎 圭太
8 平成23年 ベルモントルパン 牡7 石崎 駿
7 平成22年 ディアーウィッシュ 牡6 今野 忠成
6 平成21年 マルヨフェニックス 牡5 尾島 徹
5 平成20年 ベルモントサンダー 牡7 石崎 駿
4 平成19年 ルースリンド 牡6 内田 博幸
3 平成18年 イシノダンシング 牡6 左海 誠二
2 平成17年 マクロプロトン 牡4 内田 博幸
1 平成16年 ユニークステータス 牡5 張田 京