コラム
佐々木竹見・王者の眼差し

佐々木竹見 プロフィール写真

佐々木竹見(ささき たけみ)

元川崎競馬所属騎手。“鉄人”の愛称で知られる国内最多勝記録・7,153勝をあげた日本を代表する名手。
現在は地方競馬全国協会の参与として騎手候補生である後進の指導を行うほか、競馬のPRのために各地のイベントなどにも出演している。

平成21年度第5回開催 スパーキングサマーチャレンジ 他

7月27日~29日の開催では、重賞はありませんでしたが、29日に準重賞の'09スパーキングサマーチャレンジが行われました。スパーキングサマーカップトライアルのこのレースに勝ったのは大井のゴールドイモン。鞍上は町田直希騎手でした。 今回は、そのスパーキングサマーチャレンジと、増田充宏騎手が最低人気のミラグロメダルで見事に逃げ切った27日の3歳戦を佐々木竹見さんに振り返っていただきました。(聞き手・構成/斎藤修)

2009年7月29日(水)スパーキングサマーチャレンジ

優勝馬 ゴールドイモン

斎藤
ゴールドイモンは、迷わずハナに行きました。
竹見
ダッシュのいい馬ですね。外のほうの枠でしたが、町田直希騎手は一気に先頭に立ちました。楽にハナを奪って、1周目のゴール板あたりではすでに息を入れていますから、こういう展開になると楽ですね。
斎藤
競りかけてくる馬もまったくいませんでした。
竹見
ハナに行く馬でも、このくらいダッシュ力のある馬だと、乗っていてもすごく楽です。これだけスピードがある馬には、なかなか競りかけてくる馬もいませんからね。
斎藤
町田騎手は、ずっと手ごたえが楽でした。
竹見
3~4コーナーあたりでは、勝ったゴールドイモンと、好位勢の馬たちでは手ごたえがまったく違いました。好位につけた馬たちは案外伸びなかったですね。ゴールドイモンにとっては、距離的にもこのくらいが一番いいのでしょう。
斎藤
スパーキングサマーカップでも楽しみですね。
竹見
もともと中央にいた馬で、そのあと船橋に転厩してきたときは重賞にも出ていました。川崎の報知オールスターカップに出たときにもハナを切っています。7歳ですが、スピードがありますから、まだまだ楽しみな馬です。

2009年7月27日(月)3歳3ロ

優勝馬 ミラグロメダル

斎藤
この日は馬場に水が浮くほどの不良馬場でした。
竹見
よほど強い馬なら2~3番手からでもいいかもしれませんが、馬場がこれほど悪いと、前に行ける馬のほうが有利です。
斎藤
ミラグロメダルは、近走はいずれも勝ち馬からは1秒以上離される惨敗が続いていましたが、突然ここで好走したのはなぜでしょう。
竹見
ブリンカーをして、思い切ってハナに行ったのがよかったのでしょう。スタートはあまりよくありませんでしたが、そのあとの行きっぷりがよかったですね。1番枠もあって、逃げるように調教師から言われていたのかもしれません。ペース的にもこの馬にはいいペースになりました。
斎藤
2番人気、今野忠成騎手のイエローポピーが2番手でぴったりマークしていましたが、逃げたミラグロメダルがあまりにも人気薄だったので、うしろの有力馬たちは牽制し合っていたということはないでしょうか。
竹見
もちろん、そういうこともあったでしょう。2番手の今野騎手は、むしろ後ろから来る馬のことを気にしていたかもしれません。
斎藤
こういう馬場になると、好位につけた有力馬でも最後伸びないということがよくありますよね。
竹見
それはありますね。今回も、最後は脚いろがどの馬も一緒になってしまいました。
斎藤
ゴール前では金子正彦騎手のミヤビレプリートだけが追い込んできました。結果的にはクビ差だけ届きませんでしたが。
竹見
道悪で、どの馬も前へ前へと行こうとしますから、好位勢には厳しいレースになったかもしれません。ミヤビレプリートは、スタート後からスッと控えて、最後に賭けていました。この馬には展開が向いたのではないでしょうか。金子騎手はこういう馬場でも我慢して、落ち着いて乗っています。東京ダービーを勝ったサイレントスタメンも、そうした金子騎手の騎乗ぶりが合っていたのではないでしょうか。
斎藤
増田充宏騎手の騎乗はいかがでしたか。
竹見
好騎乗ですね。増田騎手はとにかく真面目です。照沼一二厩舎の所属で、今回勝ったミラグロメダルの佐々木仁調教師は、騎手時代は照沼厩舎の所属でした。増田騎手にとっては兄弟子にあたります。照沼調教師も、佐々木仁調教師も、レースにたくさん乗せてくれますからね。もっともっと勝ってほしいと思います。