令和2年度第2回開催 川崎マイラーズ 他

引き続き無観客開催となっている5月11~15日のメインとして行われたのは、川崎マイラーズ。直線抜け出したのは大井のグレンツェントで、鞍上は今年も全国リーディングトップ、船橋の森泰斗騎手でした。
12日の準メイン、杜若(かきつばた)特別は、浦和のカゼノウタに騎乗した酒井忍騎手が絶妙なペースに持ち込んで逃げ切りました。
15日のメイン、小田原市市制施行80周年記念は直線でガラリ一変の展開。馬群から抜け出したのは町田直希騎手のレインハートでした。

今回、佐々木竹見さんにうかがったこの3レース、勝ち馬は奇しくも3頭とも8番人気でした。(聞き手・構成/斎藤修)

2020年5月13日(水)川崎マイラーズ

優勝馬 グレンツェント

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斎藤
サルサディオーネが逃げて、人気のカジノフォンテンは2番手。勝ったグレンツェントは中団の内につけました。
竹見
グレンツェントの森泰斗騎手はいい位置をキープしました。スタート後の直線では外から的場騎手(アンサンブルライフ)がラチ沿いを取りに来ました。的場騎手がよくやる作戦ですが、森騎手はそこで譲りませんでした。普通の騎手だったら下げてしまうところですが、下げてしまえば中団よりうしろの位置取りになって、もしかしたら勝てなかったかもしれません。このあたりはさすが森騎手です。
斎藤
グレンツェントは、4コーナーでは前4頭の外からとらえにかかって直線で抜け出しました。
竹見
大井に移籍してからなかなか勝てませんでしたが、もともと力はある馬で、今回は森騎手がうまく乗りました。
斎藤
連勝中で1番人気だったカジノフォンテンは5着でした。
竹見
カジノフォンテンの張田騎手は、逃げたサルサディオーネに競りかけていくのではなく、もう少し抑えてもよかったかもしれません。競りかけていったことで前の展開が速くなりました。ただここで強い相手とのレースを経験して、次は良くなってくるかもしれません。

2020年5月12日(火)杜若特別

優勝馬 カゼノウタ

斎藤
ここ2戦は好位追走で3着止まりだったカゼノウタが、今回は逃げました。
竹見
酒井騎手はスタートして出ムチも入れず、それほど追わずに楽に先頭に立ちました。これがひとつ勝因でした。
斎藤
向正面では後続を3、4馬身ほども離して単騎の逃げになりました。
竹見
2番手集団が固まって、そこから行く馬がいませんでした。人気のバトルチャンプがその集団にいたので、ほかの馬はそれを意識していたのかもしれません。3コーナーあたりから森騎手(キンジトー)と左海騎手(タマモカプチーノ)が追って行きましたが、カゼノウタはそのあたりでも息が入って、だいぶ楽でした。
斎藤
直線でも単独先頭でした。
竹見
ゴール前はさすがに一杯になって、後続に迫られましたが、そのまま押し切りました。酒井騎手の好騎乗でしょう。酒井騎手がいいのは、ルメール騎手など外国人ジョッキーのように、拳をぐっとクビに付けて乗るところ。肘を締めている姿勢もいい。追ってからも手綱がゆるまない。こういう騎乗は、若い騎手にも見習ってほしいです。

2020年5月15日(金)小田原市市制施行80周年記念

優勝馬 レインハート

斎藤
レインハートの町田騎手は、10番枠からスタートで内に切れ込んで行きました。
竹見
スタート後の直線はそうでもなかったですが、1コーナーから向正面にかけて、前の2頭が競り合ってペースが速くなりました。それを考えると、中団6番手はいい位置どりだったと思います。
斎藤
レインハートは4コーナー手前でもラチ沿いで、行き場をなくしそうになる場面がありました。
竹見
4コーナーでは先行勢の行き脚が鈍って前が壁になり、町田騎手はどこに行こうかという感じでしたが、直線に入ってその外に持ち出そうとしたところで矢野騎手(コアコンピタンス)に前をカットされるような形になりました。さらにうしろから1頭来ていて行き場をなくすところですが、よくあそこで外に出られました。持ち出してからの伸びが素晴らしかった。前のペースが速かったぶん、ゴール前で馬群ががらりと入れ替わって、展開に恵まれたところもありましたが、町田騎手もうまく乗りました。