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川崎競馬対談シリーズ(第12回、ゲスト:佐々木竹見さん、山崎尋美さん)

競馬をこよなく愛し各界で活躍されている方々に、川崎競馬副管理者との対談を通じて川崎競馬への期待やご意見を伺う機会を設けています。

第12回は、現役時代は鉄人の異名を持つ佐々木竹見さんと、調教師会会長の山崎尋美さんとの3人による鼎談です。

[2014年2月26日 於 小向厩舎]

川﨑競馬対談シリーズ(第12回、ゲスト:佐々木竹見さん、山崎尋美さん)

佐々木竹見さんのプロフィール

青森県出身。元川崎競馬所属騎手。勝負服は赤・黄山形一文字(永久保存)。

1960年(昭和35年)に騎手デビューを果たし、同年7月に初勝利を上げる。42年間に積み上げた勝ち鞍は7,153勝(地方7,151勝、中央2勝。うち重賞143勝)。ラストランは2001年(平成13年)7月。日本プロスポーツ大賞功労者賞受賞など。


山崎尋美さんのプロフィール

神奈川県出身。元川崎競馬所属騎手で、現在は調教師会会長。父、子息の三代にわたり騎手を務め、騎手時代にはドルフィンボーイに騎乗し東京大賞典などで勝利を収めた。調教師としての開業は1998年(平成10年)7月。これまでに獲得した川崎開催でのリーディングは4度。ユキチャンやボランタスなどを手掛けている。


はじめに
川﨑: 今日は、現役時代のお話も聞かせていただきながら進めたいと思います。まず、お二人からご覧になって、現在の競馬界、どのように感じておられますでしょうか?
佐々木: どこの競馬場も一生懸命にやっているなぁと言うのが率直な感想だね、注文を付けるようなことは何もないね。
山崎: 僕が騎手をやっていた頃は、武豊騎手やオグリキャップなどの活躍で、それまで競馬を知らない人が興味を持ってくれた時期なんです。また、今は、ゲーム感覚で競馬に接してくれてたりして、とても良いなと思っていますよ。ただ、調教師になって思うのは、馬主さんの考え方が以前とは随分変わったなぁと言う感じです。昔と違い「仔馬から育てる」という意識が少し希薄なような気がします。例えば、レースに行って勝てないと、すぐに馬を諦めてしまうようなところが目に付きますので、その点が少し心配なところですね。
川﨑: それはどうしてでしょうかね?
佐々木: 今は、個人で馬を持つよりも一会員として馬を所有しているという感じなので、馬に対する愛情のかけ方なんかが距離感が出来ていて、そのために馬との関わり方も変わって来ているんじゃないのかな。
山崎: 馬主としてのステータスが無くなったのも、一因なのかなと思います。
川﨑: つまり、馬主になる旨味が薄れてしまったと?
山崎: それは多分にありますよ。南関東以外の賞金水準では、競馬開催をしていくことはとても困難な状況だと思います。1回でも多く走らせて出走手当を得ることで何とかやりくりしているのが現状では、本来の競馬をやるにはとても厳しい環境ですよね。
川﨑: 馬は生き物ですから、能力に関わりなく維持費がかかりますからね。
山崎: 賞金が低いと馬主経済が回らなくなってしまい、カイバ代欲しさに出走させるようになってしまいかねないのです。
川﨑: 確かに馬主になる方たちが減少していて、売上も競馬界全体として一時期に比べると厳しいものがあります。競馬の盛り上がりという点ではいかがでしょうか?
佐々木: その点では、昔と違ってJRAや他地区との交流レースが増えており、厩舎関係者もファンも楽しんでいただいているのではないかな。
騎手の変遷
川﨑: お二人が現役の頃と比べて、今の騎手の気質や技量はいかがでしょう?
佐々木: 今はどこの騎手もみんな上手いですよ。騎乗姿勢もきれいだな。ただ、お手当の面で、乗れていない騎手の生活は厳しいものがあるようだと聞いているよね。上下に開きが出て来ているとでも言うのかな、一部の騎手からは生活していくのがとても大変だと耳にしているよ。
山崎: 南関東ではどんなに上手い人でも、以前は一日6鞍の騎乗制限があったので、言い方は良くないけど中堅や若手にも乗る機会が回って来ていたけれど、今は1日8鞍まで乗れるからどうしても上手い人の方に騎乗機会が偏っちゃうよね。
川﨑: 自場の騎手を養成するという視点から言うと、川崎開催ではせめて川崎所属の騎手をもっと使えないのかと思んですけどね?
山崎: 我々も結果を出さなきゃならないし、数少なくなった馬主をつなぎとめるためにも、腕の良い騎手に頼みがちになるのは仕方がないと思いますけど・・。今の南関東のルールだと上位30人の騎手がいれば十分に回して行けるっていう感じなので、乗れない騎手が腕を磨く場面が徐々に少なくなってきているのは確かだね。
佐々木: 騎手に対する馬主さんの考え方も随分と変わって来ているよね。昔は、誰を乗せるかは調教師に任せていたからね。
山崎: どこの競馬場でも押しの強い調教師が沢山いて、「自分の所属騎手を乗せるのが嫌だったら、他へどうぞ」なんて平気で言えていたんだけれど、最近では、立場がすっかり逆転してしまって。「お前のところの騎手を乗せるんだったら他に預けるよ!」って平気で言われてしまうんだよね。
川﨑: 現実には、誰をどの馬に乗せるのかは馬主が差配していると・・・。
佐々木、山崎: そのとおりだよ。
騎手としてのやりがい
川﨑: 少しご自身のことについて伺いますが、騎手として良かったなとか、やり残したものってありますか?
山崎: 僕は、身体は小さいし学校の成績は良くないしで、騎手以外に職業に就く道はなかったね(笑)だから、騎手になれたことが何よりも良かったことだと思うけど、それでも、やはり勝った時だよね。
佐々木: 私にとって騎手として良かったなと思うことは、いい馬に乗せてもらったことかな。騎手としてやり残したということはないね。私は調教師になるつもりはなかったな。

川﨑: それまた、どうしてですか?
佐々木: 自分は馬に乗るために騎手になったのでね。
川﨑: 引退されてからも、暫くは攻め馬に乗っていたと聞きましたが?
佐々木: それは、オーストラリアのレジェンドレースや東京競馬場での騎手招待レースがあって、その関係で何度かは攻め馬に乗ったけど、引退してから馬に乗ったのはそれぐらいだよ。 那須の騎手養成学校で指導にあたっていた時も、乗馬して教えるようなことはなかったな。
川﨑: もう一度、騎手に生まれ変わったら何をなされますか?
佐々木: 今度はもっと格好よく乗りたいと思うよね。(笑) 左のスティックの使い方が今ひとつ上手くなかったからね。
山崎: 「もっと格好よく」だなんて、当時だって竹見さんだけは、乗り方が格好良かったですよ・・。(笑)
佐々木: いやいや、そんなことはないよ。むしろ、山崎会長も格好良かったよ。(笑)
川﨑: では、山崎会長は、騎手として遣り残したものは何ですか?
山崎: ダービーを一度は勝ちたかったよね(最高は2着)。
川﨑: ダービーは特別なレースなんですね?
山崎: そうです。僕は騎手としてはダービーは勝てませんでしたが、調教師を辞めるまでには一度、是非、取ってみたいですね。
川﨑: そのほかにはいかがですか?
佐々木: 私は、現役の時にもうやり尽くしたから、特にはないな。
山崎: 僕は、世界中の競馬場、例えば、ドバイとか、凱旋門賞とかに一度は乗ってみたかったなと思います。
川﨑: シンガポールで騎乗されたという話は伺いましたが・・・。
山崎: そうです。
佐々木: 私もフィリピン、アメリカに行きました。
川﨑: 今の騎手はなかなか外に出て行こうとしないと聞いていますが?
山崎: 私にはもったいない気がしますよ。
騎手へのアドバイス
川﨑: 最近、国内でも騎乗スタイルに大きな変化が見て取れますが、お二人からご覧なっていかがですか?
佐々木: 腰を上下に振って、馬の腰当たりに衝撃を与えて気合を付けるような騎乗スタイルが話題になっているけれど、私としては少し気になるよね。
山崎: 走法も含めてハミで調整するのが基本だと思いますけどね。僕もああいう乗り方は賛同しかねるので、誠士(=山崎誠士騎手)にはくれぐれも真似しないよう言ってあります。
川﨑: とは言いながらも、成績が付いて来ていますけど・・。
佐々木: それは良い馬に乗せてもらっているからなんだよ。(笑)
騎乗フォームは、基本が出来ていれば見た目だけでなく、馬にとっても優しい乗り方だと思うよ。
川﨑: 今の騎手のなかで目に付いた騎手はいますか?
佐々木: きれいな騎乗フォームという意味では、JRAでは、武豊騎手や横山典弘騎手、池添謙一騎手、川田将雅騎手などがお手本だと思うね。
思い出の馬、レース
川﨑: 思い出となる馬やレースは、いかがですか?
佐々木: 私はテツノカチドキを上げるね。東京大賞典3000mを逃げたんだ。福島競馬場で行われた地方競馬招待レースでも勝ったしね。それに大井記念を2連覇と帝王賞にも優勝、本当に強い馬だったな。
川﨑: 他にはいかがですか?
佐々木: テツノカチドキと並んで強い馬の1頭にヒデノアラシがいたね。
川﨑: 川崎記念を制した馬ですね。
佐々木: ただ、どう言うわけか左回りしか走らなかったね。(笑)
川﨑: ある意味、癖馬だったんですね。
佐々木、山崎: そういう馬は一杯いるよ。
川﨑: 山崎会長の場合はいかがでしょう?
山崎: 僕の場合、騎手として初めて重賞を勝たせてもらったのがカネハツユキ、もう一頭上げれば気性の荒いドルフィンボーイかな。
佐々木: カネハツユキは鈴木敏一さん(故人、元調教師)が厩務員をされていたね。また、ドルフィンボーイは、池田さん(現調教師)が厩務員をやっていて、滅法強いところがあったよね、 東京大賞典も勝ったし。

川﨑: さて、お二人が重なっていた時期は、どれくらいだったんですか?
佐々木、山崎: そりゃあ、結構ありましたよ!(笑)
山崎: ずーと、竹見さんがトップでしたよね。
川﨑: 17年間リーディングでしたものね?
佐々木: 15年連続でリーディングを取った後に、足をラチにぶつけて1年休養したんだ。それから復帰してから2年間、リーディングを取りました。そしたら、また馬に蹴られたりして・・・。その頃から、馬を選んで乗るようになったね。
山崎: 当時、1日12レース連続で騎乗するということもありましたよね。
佐々木: 騎乗制限のルールが出来る前までに、一日だけだったかな。あまり多く乗り過ぎると、早く終わることだけを考えてしまうから、ほどほどが良いよ。(笑)実際、どのレースだって全部勝てるわけじゃあないんだし。(笑)
川﨑: 竹見さんの戦法は、逃げ、先行でしたよね。白帽子が良く似合っていましたよね。
佐々木: 青野四郎先生(元調教師)からも、「先に行って勝負しろ」と言われていたからね。今の競馬もそうだよ。有る程度、先に行けなくてはね。
山崎: 地方競馬は小回りだから、先行して良いポジションを取るのが大きなポイントですよね。
川﨑: お二人がマッチレースとなったレースでの思い出はいかがでしょうか?
山崎: 大体、第3コーナーまでは竹見さんが先頭か先に行くケースが多くてね、その時、自分は3番手、4番手に付いて行くんですよ。「これじゃあ、いつでも交わせる」と思って一度抜くんだけど、最後は必ず差し替えされるんだよね。「俺、どうやったら竹見さんに勝てるのー」て(笑)、 いつも自問自答していましたよ。(笑)
川﨑: 一矢報いた会心のレースはいかがですか?
山崎: 30年位前のレースになるのかな、日本テレビ盃(船橋)では、自分の馬(ブランドオスカー号)が、内をすくって、先行する竹見さんの馬をかわして勝った時、「やったぁ!」て思いましたよ。(笑)
川﨑: お二人のデッドヒートが目に映るようですね。
佐々木: やはり勝っている時は乗ってても楽しいよね。
川﨑: 勝てそうな時って、それは馬に跨っただけで分かるものなんですか?
佐々木、山崎: いやぁ、それは分かんないよ!(笑)
佐々木: 返し馬をやったら、走る馬かどうかぐらいは分かるかな。
川﨑: テン乗りの場合には、どうやって馬の特徴を掴むんですか?
佐々木: 全く何も情報がない中で乗るなんてことはなくって、必ず調教師や厩務員さんたちから一言、二言、アドバイスがあるもんだよ。
川﨑: 馬主さんからも、いろいろ注文がつくこともあるんでしょうね?
山崎: 大体言われるのが「3~4番手」。だから全部の馬が3~4番手を目指すことになるんだけれど。(笑)
川﨑: 人気を背負う、ということも騎乗スタイルに影響するんでしょうね?
佐々木: 人気があると、どうしても仕掛けが早くなっちゃうよね。
山崎: むしろ人気がない馬の方が、後方待機で様子を伺い、先行馬が脚を使いきったところでビューと抜き去るなんてことはよくある話ですよ。
川﨑: お客さんの声援とかに関してはどうですか?
佐々木: 私の場合はあまり気にしなかったね。レースに集中するようにしていたね。
山崎: 昔はヤジが凄かったからね。毎レースだもの。その点、競艇選手はせいぜい一日に二度乗りだから羨ましかったですよ。(笑)今のヤジなんて大人しいもんですよ。
佐々木: 南関の中でも川崎のヤジは凄い方だったよ。
川﨑: この間、今野騎手から、「ヤジは人気の裏返しだから、有る意味有り難い」といったような趣旨の話を聞きましたが・・・。
佐々木: それは言えるよね。
馬の見極め方、レース観戦のポイント
川﨑: それでは、次に馬の見極め方やレース観戦について、ポイントを教えてください。
佐々木: 私は歩様が中心だね。特に、トモの踏ん張りは必ずチェックしているよ。それと、顔だね。
川﨑: 顔?
佐々木: 顔だね。馬は、顔が大事なんだよ。(笑)それに、気をつけなければならないのが、冬場に馬体重が増えるのは良くないな。
山崎: 馬の顔という意味で言えば、ボーっと目をした馬は走らないね。(笑) 
それに、足の運びの悪い馬はダメ。レースに行った場合、川崎は1600mの最初の1ハロンはとても大事なので、そこで脚を溜めておくことだね。
川﨑: コースの印象として、コーナーがきつい分、先に行ったほうが有利かなと思っていましたが・・・。
山崎: 僕も最初は、そのように思っていました。だけど、実際に統計を見てみると、逃げ、先行、差し、追い込みの割合に、あまり差が無いんですよ。うちの誠士は、以前はどの馬でも先行する癖があったんだけれど、ボランタスに騎乗してからというもの、後ろから行く競馬ができるようになったね。

川﨑: 血統については如何ですか?
山崎: 血統は、特に新馬戦では要注意ってとこかな。
後輩騎手へのアドバイス
川﨑: 川崎競馬所属騎手へのアドバイスがありましたら、お聞かせ願えますか?
山崎: 馬に乗ることも大切ですけど、外に飛び出していかないとダメだと思いますね。自分も騎手時代には牧場に行ったことがなかった。できたら所属の調教師と北海道なんかにも出かけていって顔を売った方が良いですよ。例え、セリで買う馬がいなくても足を運ぶことが大事だと思うね。
佐々木: そうそう、騎手が自ら営業するなんてことはなかったけど、今は時代も時代だからね。
川﨑: それに、バレット制度だって当時はなかったのでしょう?
佐々木: バレットさんらを見て、今の騎手はたいへん羨ましいなと思うね。以前は、勝負服なんかも自宅に持って帰って洗ってたりしていたからね。
川﨑: 会長はいかがですか?開業したてのころは、もちろん営業が基本だったのでしょう?
山崎: 調教師を開業したての頃、僕は知らないところでも牧場と名の付くところは全部回りました。そこからスタートでした。挨拶して、名前を覚えてもらうことが基本でしたからね。
佐々木: 私も牧場には必ず顔を出したね。
川﨑: 他ではいかがですか?例えば、騎乗スタイルを少し変えるだけでも、結構勝ちを拾えるレースも多いんでしょうね?
山崎: そりゃあ、ありますよ。
佐々木: 町田騎手にも期待をかけているんだけれどね、浦和のコースなんかでは先き先きに行って位置取りを考えていけば、もっと勝ち鞍が増えるのになぁと思っているんだけれどね。
川崎競馬の魅力
川﨑: 次に、川崎競馬のどのようなところが魅力であるのか、教えていただけますか?
佐々木: 騎手も調教師もみんないい人が集まっている感じだよね。それに、夏まつりをはじめ、一般の方や地域の方々との触れ合いの場があること、これが一番だね。
川﨑: 山崎会長はいかがですか?
山崎: 川崎は調教師の仲がいいのが自慢ですよね。厩舎全体としては、竹見さんも言われたように住民との触れ合いの場が定期的に持たれているしね。ただ、最近、そういう伝統が少しづつ失われ出しているのかなと心配しています。余裕がないせいか、みんな自分の事だけに追われて、集団で地元の人たちと交流しようという姿勢が薄れてしまってね。競馬をやっている以上、住民との対話の場があることは重要なことだと思っています。
川﨑: そのように感じる何か兆候でもあるんでしょうか?
山崎: 調教師の中には、「川崎競馬があっての自分たちの生活が成り立つ」という意識が、少し欠けていて危機感が感じられない人がいるんだ。自分たちだけのことを考えるのではなく、川崎競馬全体のことを考えなければいけないと思いますよ。例えば、賀詞交換会など馬関係者の出席が少なくなくなってしまったことも見直しの一因と聞いているので・・。
川﨑: 会長は長らく会務をまとめられて来たので、特にそのことを強く感じられるのでしょうね?
山崎: そんなこともないですけどね。
川崎競馬の課題
川﨑: 次に、川崎競馬の課題について伺いますが、いかがですか?
佐々木: せっかく騎手学校を卒業しても、受け入れ先が少ないのは何とかして欲しいね。これは川崎競馬だけでなく、競馬界全体についても言えることなんだけれどもね。
川﨑: よく言われるんですけど、南関で4つの競馬場を持つ必要性にもつながって行きますよね。
佐々木: 自分としては4場が競い合う形の方がいいなと思うので、今のままで言いと思うよ。
山崎: 多くの在きゅう馬を抱えているのが大井競馬場だと思うので、南関4場というひとくくりよりも、交流レベルでは「大井」対「3場」という形での交流がちゃんと出来ていれば良いんだけれどね。各場の在きゅう馬の上限を設けたりして、何か主催者間で調整ができるといいな思いますよ。
川﨑: 普段から交流していないと、いきなり「右だ」と言われても無理ですよね。
山崎: それに川崎は、距離のバリエーションが欲しいよね。
川﨑: 特に短いところがね。
佐々木: 反対に1700mなんかやらなくなってしまった・・・。
川﨑: ただ、昨年から、900m、2000mのレースを少しづつ増やしたりしていますが・・。

座右の銘
川﨑: この対談に出ていただいた方、全員に伺っているのですけれども、座右の銘とか、大切にしている言葉があれば教えて下さい。
佐々木: 俺は「執念」だね。何せ、思いこんだらやり遂げる性格だからね。騎手の頃は怪我などしたことも多かったけど、この言葉で乗り切ったしね。
川﨑: 竹見さんにはいろいろにエピソードが残っていて、例えば、園田遠征で初めてのコースに出た際、裸足で一周歩いて馬場を回り、その後の騎乗で見事、優勝を飾ったとか・・。これもある意味、執念ですよね。
佐々木: 楠賞のことだね、あの重賞は4回出て3回勝った。負けた1回は道営からきた馬に乗った、川崎の森下騎手なんだ。(笑)
川﨑: 他にもいろいろと伺っていますよ。早朝の調教に備えてどのような会席でも20時になったら途中で席を外されるとか・・(笑)
佐々木: 当時からあまり食べなかったからね。(笑)
山崎: 普段から体調管理は徹底していましたよね。競馬場や調教をつける場合、いつも同じ道しか通らなかったですし、食事はいつも蟹サラダだし(笑)
川﨑: 会長は如何ですか?
山崎: 調教師になってから、特に大事にしていることは「誠実」かな。馬主さんから財産を預かっているわけで、何があっても包み隠さないといことをモットーにやっています。
川﨑: 厩舎の経営方針でもあるんですね。
山崎: そうです。厩務員にも隠し事をしないように口を酸っぱくして言っています。
佐々木: 結構大事なことだよね。些細ことでも、上の方に上げていくようなことをしていかないと駄目だよね。
左より、山崎会長のご子息で調教師補佐の裕也さん、山崎尋美会長、佐々木竹見さん、川﨑副管理者(山崎厩舎前にて)
左より、山崎会長のご子息で調教師補佐の裕也さん、山崎尋美会長、
佐々木竹見さん、川﨑副管理者(山崎厩舎前にて)
今後の目標
川﨑: これからの目標などを聞かせて下さい。
佐々木: いつまでも健康であって、一つでも多くのレースを見られればと言うことないですね。(笑)
川﨑: 少し長めの目標はいかがですか?
佐々木: ・・ないね。(笑)
川﨑: 経験を生かした講演とか執筆活動とかはいかがですか?
佐々木: 昨年、川崎記念では依頼を受けてテレビの解説を務めたりしたけどね、自分から進んでということまではね・・。
川﨑: マイペースで、ということですね。
佐々木: そうです。
川﨑: 会長は如何でしょうか?
山崎: 毎年掲げているんですけど、具体的には年間50勝することと、最低でも重賞をひとつ勝ちたいですね。
川﨑: 重賞ひとつ、なんて遠慮しないで・・(笑)開業したての頃は、ポンポンと勝ってリーディングを4度取られたじゃないですか?
山崎: あの頃は、30勝でリーディングでしたけれど、今は100勝しないとだめですからね。馬主さんの理解も厚かったしね。
川﨑: 今年1月に草野仁さんと対談した際、山崎会長からある管理馬が「芝適性があるから」ということで中央へ移籍させたところ、菊花賞で好走するきっかけをつくってくれたことを大層喜んでおられました。普通であれば、自らの手元においてダート馬として育成しようと思うようなところを、敢えてそのようにはしなかったと。
山崎: 草野さんには、あまり報いることが出来ず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
佐々木: あの方は一度、私の自宅に来られて対談しました。とても気さくな良い方ですね。
川﨑: そうですね。ところで、お二人は、それぞれのお立場から政界やスポーツ界、芸能界など、幅広い人脈をお持ちのことと存じますが・・。
佐々木、山崎: 馬主さんとしてのお付き合いが強いですね。大魔神の佐々木さん、サッカーの中山さん、ボクシングのファイティング原田さんや海老原さん、和田アキ子さん、舛添要一さんらにはよいお付き合いをさせていただきました。
山崎: 竹見さんは北島三郎さんともお付き合いが深いですよね。北島さんは誰からも慕われていて、以前、小向厩舎で持ち歌を披露してくださったことがあり、演芸会をやって下さったんです。実は、それが馬頭観音祭の始まりでもあるんですよ!
川﨑: それは初耳です!それ、いつ頃ですか?
山崎: 亡くなられた井上宥蔵元調教師が元気でいらしてた頃なので・・・。当時、馬運車を改造して演芸会をやったんですよ。
ファンの皆さんに一言
川﨑: それでは最後にファンに一言とお互いにエールをお願いします。
佐々木: 川崎競馬は、騎手、調教師がとてもよいと思うので、是非、競馬場へ足を運んでください。ナイターも始まりますしね。それから、山崎会長にはこれまで以上に頑張ってください。
山崎: 川崎はファンとの距離が近いし、国内で唯一、調教が自由に見学できるところなので、是非、小向練習馬場へ来て下さい。それに、来年には川崎競馬場の隣に大型商業施設もでき、一般の方も多く来場してくると思うので期待して欲しいと思います。大先輩である竹見さんには、一日でも長く貴重な経験を伝えていただければと思います。
川﨑: 今日はお忙しい中、有意義なお話しを聞かせていただきまして、ありがとうございました。

(了)

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