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川崎競馬対談シリーズ(第1回)

このたび、川崎競馬に親しみを感じ各界でご活躍されている方々に対し、対談を通じて川崎競馬への期待やご意見を伺う機会を設けました。

第1回は、こよなく競馬との生活を大事にされ、南関東競馬全般に精通されていらっしゃる高橋華代子さんにお話を伺いました。聞き手は川崎競馬副管理者です。(2013年3月27日 於大井競馬場)

高橋華代子さんのプロフィール

宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。南関競馬を取材したブログ「南関魂」(http://nankandamasii.jugem.jp/)が大好評。


川﨑 毎日、高橋さんの「南関魂」を楽しみにしながら目を通してます。朝から夜遅くまで、南関4場を回られて本当に凄い方だなぁといつも感心しています。高橋さんは元々キャスターをやっていらっしゃったと伺いましたが、競馬の世界に飛び込んだきっかけは何だったのでしょうか?
高橋 最初は「競馬はギャンブル」というイメージがあって、あまり良い印象は持っていませんでした。でも、以前、私が山形の放送局に勤めていた頃、キャスター時代の職場の人たちの中に競馬好きな方が多かったんですね。仕事が終わって一緒に食事をしていると、その人たちが「一口馬主」の話をしていて、競馬のことを良く知らない私に、その資料を見せて解説してもらったんです。
その中にいたとても可愛い仔馬が、後々のGⅠ馬になっちゃったんです。「タイキフォーチュン」という第一回NHKマイルカップを優勝した競走馬なんです。大舞台で活躍してメディアにもいろいろ取り上げられるのを見ているうちに、それまでギャンブルということで興味がなかった私が、「競馬ってギャンブルだけじゃなくて、それぞれにドラマがあったり夢を背負って走っているんだなぁ」と感じたんです。
それまで私は、情報番組のキャスターなどいろんな話題を伝える仕事をしてきたんですけど、「今度は馬のことを伝える仕事に就きたい」と強く思うようになったんです。私は根っからの東北人だったんですけど、「こういう仕事をするなら東京かな」と思って家族を説得しながらひとり上京したんです。でも、来た当時はなかなかオーディションなどに通らなくて、最初の1、2年はたいへん苦労したんですけど、「MXテレビ」のリポーターで合格させてもらったのが始まりとなりました。
高橋華代子さん
川﨑 高橋さんの人生にそんな深いドラマがあったんですね。ところで競馬場や厩舎を取材されていて、どんなところが大変だなと感じていらっしゃいますか?
高橋 南関はほとんど毎日のように開催がありますが、私の主な取材は重賞レースやそこに向けてのものなので、重賞出走馬の取材を中心に、どこかの競馬場やトレセンにいる毎日ですね。この仕事は好きなことなのでまったく苦になりませんし、逆に好きなことをさせて頂けてありがたいです。自分の目で見て聞いて感じたことをこれからも背伸びはしないでブログなどに綴っていきたいと思っています。
川﨑 南関取材を通じて川崎競馬場の良いところや、気がついた点はどんなところですか?
高橋 大井競馬場もそうなんですが、川崎競馬場は昼の競馬もあるし夜の競馬もあるので、両方を楽しめる競馬場というところがいいなと思います。
それに、川崎競馬場はファン感謝のいろんなイベントに取り組んだり、小向きゅう舎で馬頭観音祭が盛大に行われたり、また、いつもコスプレで楽しませてくれる誘導馬がいたりと、すごく身近に感じられる競馬場じゃないかなと思います。いい意味でファンと関係者が近い競馬場だと思います。
レースでもホワイト、ブラック、ゴールデンといった毛色限定のレースとかもあって、女性ファンがもっと増えてもいいのになぁと感じています。
川崎競馬場コスプレ誘導馬
(川崎競馬場コスプレ誘導馬)
川﨑 そうですね。主催者としても女性ファンを大切にしたいという思いから、例えば、牝馬重賞の日などには「季節の花プレゼント」や「特別観覧席ペアプレゼント」など、いろいろ周囲の意見も聞きながら女性ファンをターゲットにしたサービスに取り組んでいるんですが、まだまだ足りないということなんでしょうね?
高橋 地方競馬全体に言えることかもしれませんが、レディス・ルームとか女性専用のスペースがあったらもっと安心して楽しめるんじゃないかなと思いますが。
川﨑 川崎でも例えばパドックに女性専用のスペースを作ろうかという意見もあったのですが、他にたくさんのお客様がいる中で、仮に女性専用のスペースだけが空いている状態で何人かの女性がいると却って目立ってしまったりするのではないかという懸念の声があり、なかなか設置には至らなかったということもありました。
高橋 そうですね。外の空間というよりは、例えば、1号館スタンド1階にある「キッズルーム」のような目立たない感じで、くつろげるような休憩スペースがあるだけでもずい分違ってくるかなと思いますね。それに、3号スタンドも今後、どうなるのかなって、皆さんも気にしています。
川﨑 女性がくつろげる空間の必要性は、私も強く感じています。女性ならではの視点ですね。また、3号スタンドについては、現在、使用を休止しておりますが、既に40年以上経過している建物ですので、どのような活用策が考えられるのか検討しているところです。なお、施設改善については、いろいろお客様から具体的にお声を頂いておりますので、施設会社ともよく相談しながら迅速に進めていきたいと思います。
川﨑 話題を変えて、レースやイベントなどで、川崎競馬場に期待するところはありますか?
高橋 川崎競馬場は先ほどもふれましたが、黒馬限定レースなどおもしろいレースをたくさんしているので、例えば仲間うちでは、「馬体重が500キロ以上限定の大きな馬のレースとか、逆に小さい馬限定のちびっこレースとかがあったら楽しいよね」というのをよく話したりしてて、そういうレースをするなら「川崎競馬場かな」ってよく話してるんですよ(笑)
川﨑 似たような馬の特徴を捉えて番組を編成してみてはというご意見かと思いますが、そのような意味では昨年、夏季限定ながら特例的な転入基準を設け、条件に合った馬を選定して1鞍組んでみました。「南関チャレンジ」という特選レースで、これは殆どの馬が休み明けで出走してくることもあって、ちょうど前走成績欄が新馬戦と同じように総て空白で、前2走目以前にさかのぼって競走成績欄が埋まるというものだったんです。実はこれ名古屋競馬が行っている前走1着馬だけを集めたレースにヒントを得て取り組んだものです。
こうした番組の編成意図を汲んで頂いたのか、初めて編成したレースにしてはソコソコに売り上げることができ、ファンの皆さんに支持されたのかなって受け止めています。

高橋 いろんなことに取り組んでるんですね。さすが企画レースのバリエーションが豊富ですね。
川﨑 ほかには皐月賞、日本ダービー、菊花賞のいずれかを勝った馬を父親に持つ特別競走「クラシックジュニアカップ」や、騎手に重きを置いた「佐々木竹見カップ」なども、いわゆる企画レースとして川崎競馬の定番になっています。25年度に向けて、もう少し牝馬限定のレースや2歳の活きのいいレースを増やしたいと思っていて、距離の多様性も入れながら、そのなかでアイデアを出しながらファンに喜んでいただける番組を作ってみたいと思っています。
高橋 競馬場に来たら馬を見たいというのはもちろんですが、直接「触りたい」というのもあると思うんです。例えば、以前は誘導馬がパドックの脇に近づいて来てくれて柵越しに触らせてもらえたりとかしたんですが、新たに馬主専用のスペースなどが出来て、「誘導馬に触ることが出来なくなり寂しいなぁ」って声をよく聞きます。
あと、川崎競馬場に限ったことではないのですけど、レース後に馬が検量室の前に帰ってくるところとか、騎手の皆さんが砂まみれになっていたり、馬の息が荒かったりとか迫力がありますよね、そういうところを例えば、バックヤードツアーなどで見られたりすると新鮮で参加されたファンはたいへん喜ばれるんじゃないでしょうか。もちろん、公正競馬の確保とか、レースをされる皆さん方の妨げにならないようにしなければならないので、大人数でというのは無理ですけれどもね。
レース終了後の今野騎手
(レース終了後の今野騎手)
川﨑 誘導馬の触れ合いの場がなくなってしまったということについては、誘導馬を担当している方からも言われているので何とかしてあげられないかなと考えています。例えば、最終レースが終わった後、パドックを一時的に解放し、誘導馬と触れ合う時間を作るとか。
バックヤードツアーなど関係者エリアの見学ということでは、スターターの所を見学したいというご要望もいただいています。ファンの方からすると、一般に立ち入れない所ほど参加して味わいたいというお気持ちが強くなるのでしょうね。
高橋 バックヤードツァーも、是非、取り組んでほしい企画のひとつです。
川﨑 そうですね。以前は、川崎でも事前に募集して、本場だけでなく、厩舎や調教も見学コースに取り入れていた時期もありました。今は、夏祭りのイベントの時期などでやっていますが、どちらかといえば、見学希望者には個別に対応させてもらっています。
高橋 競馬を好きになってもらうには、やはり競馬場に足を運んで下さるのが一番ですよね。そこで聞く馬の地響きやいななき、迫力あるゴール前の接戦、力の入る実況、そしてカクテルライトの光線を浴びながら心ゆくまで楽しい仲間と臨場感あふれる場所でひと時が過ごせたら、最高に幸せな気分になれるんじゃないかと思うんですけど。
川﨑 高橋さんがおっしゃるように、競馬場の楽しさ面白さは、競馬場に足を運んだ方でしか味わえないものがあると思います。ネットや電話投票での馬券購入が増え、大変ありがたいお話しであると思いますが、それ以上に競馬場に足を運んで是非、競馬の面白さを体感してもらいたいですね。
川﨑 さて、お客様のアンケートをとると必ずと言ってよいほど、食事を取り上げる方が多いのですが、率直に言って川崎競馬場の食事はいかがですか?
高橋 実は、今日こういう川崎競馬の方とお話をするということで、ツイッターで皆さんの意見を聞いてみたのですが、ファ-ストフ-ドなどのお店や素朴なフードがあるといいな、という意見もありましたよ。それから、寒い時には甘酒も配ってほしいなぁっていうファンもいらっしゃるみたいですよ。
川﨑 確かに飲食店に関するファンからのご意見はけっこう多く頂いているのですが、川崎競馬の開催日数が年間60日程度しかなく、また、近くにはコンビニも何件かあるので、なかなか競馬場で食べて下さるお客様が減っているのが現状なんです。ですから、大井競馬場さんのようにすぐに増やすということは難しいのですが、ファン方に喜んでいただけるよう、川崎競馬場ならではのフードというものを出店されている方たちともよく相談してみようと思います。
また、ファンの方にお配りするグッズや飲食物などについては、アンケートを取りながら取り組んでいきたいと思います。
高橋 あと気がついた点と言えば、2号館2階のコーヒーショップをよく利用するのですが、イスが欲しいなといつも思いますね。
川﨑 あの場所は、今は無料ですが、もともと特別観覧席料金を頂いていたところで、夏は冷房、冬は暖房がよく効いて、しかもドリームビジョンも良く見えるということもあり人気がある場所です。いつも混んでいるスポットのひとつですね。ですから、イスを置くことでファンが却って窮屈になったり、人の流れが上手くとれないなどの悩みがあります。向かい側のエスカレーター付近にはイスも置いてはいますが、貴重なご意見ですので施設会社とも至急、相談してみます。
高橋 私達には分からないご苦労もあるんですね。
川﨑 でも言い訳は出来ませんね。出来ない理由の説明を幾らしてみても何も解決しません。出来ればこうしたいのだけれど、出来ないのであれば代わりにこういうことだったら出来るかな、という姿勢でいけば、幾らでも方法はあるんじゃないかと思っています。何事もそうですが、意識次第ですね。
川﨑 高橋さんは、きゅう舎にもよく足を運んで下さっていますが、小向厩舎はどのような印象をお持ちですか?
高橋 小向は最高だと思いますね。ファン目線からすると調教がすぐ近くで見られるというのは4場で唯一ですし、調教師の先生方もとてもフレンドリーな方が多くて、競馬ファンならずとも親しみが持てる場所だなって思います。
小向厩舎連馬場での様子
(小向厩舎連馬場での様子)
川﨑 今日は、川崎競馬場のことを中心にお話を伺ってきましたが、川崎競馬に限らず地方競馬全体に対して何か思うことはありますか。実は川崎競馬は、全国の地方競馬で協議会を作っているんですが、その会長を務めているんです。ですから、今日のお話も含めて、地方競馬に共通する課題については、全国の主催者が集まる会議の場でも披露させていただこうと思っているんですが。
高橋 私にとって競馬はなくてはならないものです。それは競馬にかかわる皆さんの共通の思いでもあると思います。荒尾競馬場や福山競馬場のような悲しい話しはもう耳にしたくありません。これからも南関東競馬の情報を通じてたくさんの皆さんに競馬の素晴らしさを微力ではありますが伝えていきたいと思っています。
川﨑 私も高橋さんのお話を聞いて、南関東の連携を強めて盤石にしていかなればいけないと思いました。今の南関の副管理者や事務局長は、よく意見の交換が出来ていて気持ちがひとつなんですよ。自分のところだけ良ければなんて思っているところは一場もありません。各場それぞれの特徴を出して力を合わせてやっていこうと、年々、人馬の交流や連携が高まっています。
高橋 南関東ということではスターホースの存在が重要じゃないかと思います。フリオーソも引退してしまって、最近のダートグレードを見るとちょっと寂しいかなと思ってます。この仕事をしてきて一番嬉しい瞬間というのは南関の馬が頂点に立つこと、取材した馬が頂点に立つことなんですよ。それはきっと川崎競馬ファンをはじめ南関東競馬ファンの皆さんも同じ気持ちだと思うんです。川崎競馬もパンタレイやイチリュウが活躍したり、ボランタスやナターレもいますよね。是非、これからもっともっと活躍してくれたらいいなと思います。
今日は時間の関係もあり、私のもとに寄せていただいたファンの方からの意見については、あまりご紹介出来ませんでした。改めて聞いていただければと思います。
川﨑 今日はいろいろお聞かせいただきありがとうございました。ファンあっての川崎競馬です。一人ひとりの意見を大事にしていきたいと思います。改めて、是非、お聞かせ下さい。
これからの高橋さんのご活躍を期待申しあげております。
高橋 こういう機会をいただいたことで改めて川崎競馬のことをもっと知りたくなりましたし勉強しようと思いました。どうもありがとうございました。
高橋華代子さん

(競馬場等画像提供:高橋華代子さん)

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